2022 Fiscal Year Annual Research Report
糖利用順位から迫る細菌間クロスフィーディング機構の解明と腸内マイクロビオータ形成
Project/Area Number |
21J15883
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 紘翠 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / ムチン |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト腸管内に生息する多種多様な腸内細菌は様々な疾患に関与するが、「どのようにして腸内細菌叢が形成されるのか」は未だ解明されていない。腸内細菌叢形成には細菌間のクロスフィーディングが大きな影響を与えていると考えられている。ヒト常在性ビフィズス菌Bifidobacterium bifidumは、腸管内に豊富に存在するムチン糖鎖を単糖・二糖に分解して、一部の糖を他菌にクロスフィードすることが報告されているが、その分子機構は不明な部分が多い。本研究では、本クロスフィーディング機構への理解を深めるために、B. bifidumにおいてこれまで不明であったムチンに作用するβ-N-acetylglucosaminidaseについて着目し、コア構造と呼ばれるムチン型糖鎖構造の分解様式を明らかにすることを目指した。β-N-acetylglucosaminidase活性が報告されているGH84ドメインを持つ2つの細胞外酵素(BbhIVおよびBbhV)および既報の細胞外β-N-acetylglucosaminidaseであるBbhI(GH20)について、酵素学的および遺伝学的に調べた。その結果、BbhIとBbhIVは、core 3構造とcore 2構造にそれぞれ作用することでGlcNAcを遊離し、B. bifidumのムチン糖鎖利用においては異なる特異性を発揮しつつ協調的な役割を果たすことが示された。また、BbhIおよびBbhIVの発現量はムチンによって上昇することが分かった。これは、BbhIおよびBbhIVがムチン型糖鎖に強く作用することと一致していた。GlcNAcは、ムチン糖鎖においてコア構造に多く存在し、フコースのような末端にはあまり存在しないものの、GlcNAcの遊離はクロスフィーディングによる菌叢形成に大きな影響を及ぼすことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] A bacterial sulfoglycosidase highlights mucin O-glycan breakdown in the gut ecosystem2023
Author(s)
Katoh T, Yamada C, Wallace M, Yoshida A, Gotoh A, Arai M, Maeshibu T, Kashima T, Hagenbeek A, Ojima MN, Takada H, Sakanaka M, Shimizu H, Nishiyama K, Ashida H, Hirose J, Suarez-Diez M, Nishiyama M, Kimura I, Stubbs KA, Fushinobu S, Katayama T
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Journal Title
Nature Chemical Biology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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