2021 Fiscal Year Annual Research Report
光受容体ドメインとイオンチャネルドメインを併せ持つ新奇膜タンパク質の機能動態解明
Project/Area Number |
21J22755
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長坂 勇次郎 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | ロドプシン / ベストロフィン / パッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
メタゲノム解析からロドプシンドメイン(Rhドメイン)とベストロフィンドメイン(Bestドメイン)を併せ持つ新奇遺伝子(RhBest)が緑藻や渦鞭毛藻などに広く分布していることが分かった。Rhドメインに巨大なイオンチャネルであるベストロフィンが融合したタンパク質はこれまでになく、RhBestがどのようなイオン輸送に関わるのかをパッチクランプ法を用いた電気生理学実験により明らかにすることを研究目的とした。 共同研究者であるイスラエル工科大学のOded Beja博士から提供された配列をもとに、緑藻または渦鞭毛藻由来の遺伝子コンストラクトを動物由来の培養細胞における形質膜発現に最適化した。次に、パッチクランプ法を用いて電気生理学実験を行ったところ測定したいずれのRhBestにおいても光電流は観測されなかった。その後可視光域の波長を変えながら光応答を確認したものの、いずれの波長の光にも応答しなかった。 Oded Beja博士から新たに提供された海洋性藻類由来のRhBest遺伝子に関して高速液体クロマトグラフィー測定を実施した。その結果、暗条件では大半が発色団としてall-trans型レチナールが分子内に結合していることが確認された。さらに、赤色光照射によってall-trans型レチナールの割合の減少とともに11-cis型のレチナールが蓄積していることが新たに明らかになった。これはRhBestへの光照射によってall-trans型から11-cis型への光異性化反応が起こっていることを示唆しており、これまで微生物ロドプシンで起こるall-trans型から13-cis型への光異性化とは異なることが分かった。 現在、申請者がHPLC測定を担当した海洋性藻類由来のRhBestに関する論文をNat. Struct. Mol. Biol.誌に投稿し受理された。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|