2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K00026
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋葉 剛史 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (30756276)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 存在論 / 多元主義 / 真理論 / 高次性質 / 普遍者 / 実現関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、本研究で設定している三つの下位課題のうち、特に課題AとBに関わる研究を行った。 まず、課題A(真理の多元主義の解明と定式化)に関わる研究として、真理の多元主義とtruthmaker理論の関係に関する主題的な考察を行った。なかでも、真理の多元主義がもつとされるいくつかの利点はすでに標準的なtruthmaker理論によって十分に確保できるという趣旨の批判に注目し、多元主義の側からこれに応えるための議論を行った。その成果は、英語論文として学術誌に投稿した(査読中)。 また、課題B(存在論的多元主義の展開)の準備作業に当たる研究として、さまざまな存在者の特徴的な存在様態に焦点を当てた研究を行った。具体的に考察したのは、一つには、さまざまな特殊科学の主題を構成し、一般に「高次性質higher-level property」と呼ばれる諸々の性質であり、もう一つは、伝統的に具体的個物とは本質的に異なる存在様態をもつと考えられてきた「普遍者」(普遍的なものとして捉えられた性質)である。これらの存在者がもつ存在様態および存在論的身分についての研究の成果は、それぞれ学会誌に投稿した(前者は論文「性質間の実現関係と特殊科学の自律性」として『科学基礎論研究』に掲載済、後者は査読中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の申請時に設定した三つの下位課題について、2021年度中の研究によってそのそれぞれに関する進展があった。とりわけ課題AとBに関しては、論文という具体的な成果につなげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も引き続き上述した三つの課題に取り組むが、なかでも課題A(真理の多元主義の解明と定式化)と課題B(存在論的多元主義の展開)に関する研究を優先的に行う。課題Iに関しては、真理の多元主義の中でも最良のバージョンと思われる真理の機能主義の本性に関わるいくつかの重要な論点を見出したので、それらを具体的な成果に結実させる作業を優先的に行う。また課題IIについても、真理の多元主義と存在論的多元主義の異同をより正確に解明するための論文を現在執筆中なので、それを仕上げることを当面の目標とする。
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Research Products
(1 results)