2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K00051
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
洲脇 武志 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (10625156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 家学 / 蔡謨 / 礼学 / 故事 / 南朝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、礼学を「家学」としている一族について検討すべく、魏晋から陳までの正史(『三国志』『晋書』『宋書』『梁書』『陳書』『南史』)を中心として、主に後漢末から南朝陳にかけて活躍した蔡氏に関連する記述を精査し、その成果を「南朝における蔡氏」(六朝学術学会第二十六回大会、2022年9月10日)として発表した。本発表では、後漢末の蔡睦から陳の蔡凝までの事績を調査し、(1)西晋の蔡克から劉宋の蔡廓までは「礼学」と「故事」が蔡氏の家学として継承されている、(2)ただし「礼学」については蔡克(西晋)とその息子である蔡謨(東晋)に集中しているため、蔡氏の家学全体としては「故事」がその家学の中心であった、という二点を明らかにすることができた。また、これまで家学がどのように発生したか(特に礼学を家学とする場合)を検討してきたが、これらの研究を通じて、蔡氏のように家学が途絶えてしまう(もしくは特筆されるほどのものではなくなる)事例を検討し、その要因を考察することで、家学を継承させるための要因や過程が明らかにすることが出来るのではないかという知見や、「礼」に関する家学について、先例である「故事」に明るいことと礼制度や礼関連の経学に詳しいこととの差違に関する知見も得られた。 なお、本研究課題に深く関わる、吉川忠夫氏『六朝隋唐文史哲論集Ⅰ:人・家・学術』(法蔵館、2020年)の書評を『唐代史研究』第25号(2022年、p201-210)に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
南北朝から初唐における「家学」の成立と展開を研究する本課題において、本年度は蔡氏の事例について検討し、一定の成果を得ることができ、学会発表として公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで取り上げてきた王氏・許氏・蔡氏の家学について考察を深めていく。それぞれの家学について、これまで成果を公表してきたが、概説的なものに留まっていたので、令和5年度はそれらの成果をもとに、より具体的にそれぞれの家学の特徴について検討を進めていきたい。また、これまでに発見した家学を有していると推定される一族について、令和5年度も可能な限り調査し、成果として報告できるようにしていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、国内での移動が制限されて、資料調査中止を余儀なくされたことや、各種学会がオンラインでも開催されたことにより、旅費の使用予定が大幅に減少した。次年度は資料調査や学会参加が可能な状況になり次第、これらに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)