2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study of the Meditation Thought in Early Buddhist Scriptures
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21K00061
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
細田 典明 佛教大学, 仏教学部, 教授 (00181503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 和信 佛教大学, 仏教学部, 教授 (90268128)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 初期仏教 / ウパニシャッド / 禅定思想 / サンスクリット阿含 / 禅観経典 / アシュヴァゴーシャ / T.S.エリオット / 荘厳経論(Sutralamkara) |
Outline of Annual Research Achievements |
説一切有部の伝承するサンスクリット文『雑阿含』を禅観経典との関連性で検討するうえで、降魔・成道・梵天勧請等の仏伝記事にみられる、精勤・信・智慧等の語は古層経典以来知られるが、これらは禅定に関わる要語であり、思想史を解明する大きな手掛かりとなっている。これは阿含の修行論を内容とする『雑阿含』「道品」各支に見られる禅定の系譜を体系的にまとめていく過程を示すものである。 また、禅定思想の現代的意義について、T.S.エリオットを取り上げ、「『荒地』第5章と『ブリハッド・アーラニカ・ウパニシャッド』第5章第2節の「雷のことば」」(T.S.Eliot Review, 34, 2024, pp.89-102))に公表した。 研究分担者は、「スコイエン写本のアシュヴァゴーシャ―荘厳経論(Sutralamkara)のクシャーナ貝葉断簡発見記―」(『印度学仏教学研究』第72巻第1号,2023年12月,pp.36-44)、「アシュヴァゴーシャのアートマン批判―第8三啓経「勝義空経」の梵文テキストと和訳―」(『佛教大学仏教学部論集』第108号,2024年3月,pp.1-22)、「アシュヴァゴーシャから鳩摩羅什へ─精進と懈怠の大智度論引用偈に基づいて─」(『佛教学セミナー』第118号,2023年12月,pp.1-22)、共著「老いと病と死と─第11三啓経『無常経』の梵文テキストと和訳─」(『佛教大学仏教学会紀要』第29号,2024年3月,pp.1-31)、共著 "Possible Fragments of Asvaghosa's Lost Sutralamkara from the "Manuscript Cave" in Sorcuq", (WIENER STUDIEN ZUR TIBETOLOGIE UND BUDDHISMUSKUNDE, 104.1, 2023, pp.111-130)により、禅観経典類との関連も明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
禅観経典から唯識文献に至る念想・瞑想についての思想は、修習の具体的な内容を解明する根拠と成りうるものである。すなわち、サンスクリット文『雑阿含』の復元作業において、『修習次第』・『中辺分別論』・『声聞地』・『大乗阿毘達磨雑集論』・『大乗荘厳経論』等における阿含の引用を精査中であり、その中には『雑阿含』「道品」散佚部分に属するものが散見し、従来の研究での未比定・誤解の是正を行なう。 修道を説く阿含の様々な比喩に関して、仏伝から仏教説話にいたる題材を有部律の中に精査し、その中からサンスクリット文の現存する仏伝資料を取り上げ、『根本説一切有部毘奈耶』を中心に、サンスクリット文のあるものは、阿含との平行句を回収し、二次資料としてチベット訳は当該箇所を明示する。さらに、説一切有部の律蔵についてさらに調査を行う。 また、他分野の学問領域に対しても、インド思想を踏まえた近現代文学をはじめとする大きな影響力を持った作品について内容を分析し、本課題の重要性を明らかにする。さらに、インドにおける映画から教育用教材等の資料を蒐集し、それの内容が本課題の現代的意議に深く関わるものとして認知されるための調査を行ない、考察を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
【2024年度】説一切有部の論蔵について、さらにアビダルマから唯識に至る論書から、特に、説一切有部の阿含を直接引用・解釈する『瑜伽師地論』「摂事分」については『雑阿含』「道品」の部分のチベット語訳を玄奘訳と照合させ、「声聞地」について、サンスクリット阿含の部分を明示する。また、研究課題に関係する研究者を招聘し、禅定思想についてのシンポジウムを行う。 【2025年度】サンスクリットの語彙について古ウパニシャッドから初期仏教に至る瞑想・禅定の問題を進展させ、仏教以前に成立した古ウパニシャッドにおける内観によるアートマンの認識を瞑想の問題として捉え、様々な修行法の体系化以前の実際を初期仏教における禅定の問題として考察を進める基礎を確立する。
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Causes of Carryover |
2023年度に購入出来なかった図書(物品費15,490円)は2024年度に速やかに購入する予定である。
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Research Products
(7 results)