2022 Fiscal Year Research-status Report
Culture and Social Inclusion in Victorian Britain
Project/Area Number |
21K00082
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
崎山 直樹 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (10513088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田川 大典 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (60284056)
藤田 祐 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (90710830)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 思想史 / リベラルアーツ / 教育 / 社会史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究プロジェクト2年目にあたる本年は海外における史料調査も実施することができた。特にこれまであまり知られてこなかった19世紀中葉の政治家を中心とする任意団体主導の教育改革の実態が見えてきた。またブリテン各地で盛んとなっていた草の根の統計学を学ぶ団体が教育改革について、積極的に関与していた実態もみえてきた。このようなヴィクトリア朝期におけるEBPMともいえるダイナミズムをどのように評価していくかが、本研究の主たる課題として再設定することができた。またオンラインではあったものの代表・分担者全員が参加した研究会を実施できるなど、計画通り進捗した。 崎山は、長年関わってきた現代日本における大学教育の課題をさまざまな研究領域の研究者が集まり、架橋的に議論を重ねていく企画に基づいた書籍『現場の大学論 大学改革を超えて未来を拓くために』の編者として名を連ね、「まえがき」 「序章」さらに高等教育研究者である羽田貴史ならびに吉田文への「インタビュー」をとりまとめた。これらの企画には、本研究プロジェクトを通じてえられた知見が反映されている。 藤田は、前年におこなった研究発表を元に、論稿の準備に取りかかった。 小田川は、インテレクチュアル・ヒストリーや啓蒙思想と観点から本研究プロジェクトの考察を深めると共に、コウルリッジ、ニューマン、アーノルドに関して、シンポジウムや研究会にて報告を行った。 このように本研究プロジェクトは十分な成果を上げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた海外での史料調査を実施することができた。前述したようにヴィクトリア朝期における教育をめぐるEBPMといえるような動きをどのように評価するかが本研究の主たる課題として浮上してきた。これについてプロジェクト参加者がそれぞれの専門性を前提に議論を重ねている状況である。 研究代表・分担者が離れた地域に居住しているものの、SlackやZOOMといったオンラインツールを活用することで、コロナ禍以前よりも密にコミュニケーションを取ることが可能となり、書誌データや資料に関連する情報共有も深まっていた。 研究メンバー各々が様々な研究領域の研究者と議論を深めていった一年となり、本研究プロジェクトに関しても様々なフィードバックを得られた。 研究発表の数そのものは少ないものの、現在発表準備中のものも多く、発表に向けた助走期間だったといえよう。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究プロジェクトの中間報告的な位置付けのシンポジウムの企画を行っている。当初は2023年度前半に実施予定であったが、初年度に十分な史料調査ができなかったこともあり、順延し、2023年度末あるいは2024年度前半に実施できるよう準備を進めている。 そのためにも各自が研究会での試行を重ね、多様なフィードバックを受けながら思索を深めていく必要がある。こちらの準備も並行してすすめていきたい。 またこれらのプロセスの中に学術論文の執筆を位置付けている。こちらも可能なかぎり速やかに進めて行きたいと考えている。特に現在準備中の論稿はできるだけ早く投稿し、公表していきたい。
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Causes of Carryover |
所属大学の業務の都合ならびに円安の影響などもあり、予定していた海外調査が一回分を翌年度に順延した。 その結果、繰越金が生じているため。
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