2021 Fiscal Year Research-status Report
近代ドイツにおける音楽文化の場としての「学校」をめぐる社会史的研究
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21K00105
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
小野 亮祐 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10611189)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ドイツ / 音楽教員 / カントール / ルテネウム / トーマス学校 / ゲラ / ライプツィヒ / キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、コロナ禍の影響によりドイツでの調査ができないことが見込まれたため、そのための準備の年としていた。具体的には、① 教会音楽家の自伝、その他音楽家の伝記類(書籍、雑誌記事等)、②学校教員の採用関係文書、③教員養成における音楽に関する文書、④学校の視察記録文書,⑤19世紀から存在する音楽学校の学籍・学務事項に関わる史料、⑥管弦楽団(宮廷楽団など)の人事文書、合計6種類の文書を調査する予定としており、今年度は、これらの文書をインターネットを利用して、所蔵や文書の目星をつけた。それに加えて、所属機関での所蔵が手薄であったドイツの教育史や教会音楽、学校音楽の歴史に関わる先行研究の文献を、改めて検索し購入することにあてた。 また、先行してキャリア的側面から16~19世紀の中等学校における音楽教員の性格を検討する論文を執筆した。具体的には、ゲラのルテネウムRutheneumとライプツィヒのトーマス学校Thomasschuleの先行研究と資料を手掛かりに論文執筆をした。両者は音楽に力を入れる学校であり、トーマス学校はウィーン少年合唱団のように今でも盛んに音楽活動をして有名である。当初(16世紀)の音楽教師(カントル)はその他の教員と同じく、音楽教員も大学を卒業したいわゆる学識者としての性格が強く、牧師などの最終的な職に着くまでの腰掛的な地位であった。しかし時代を下ると(17,8世紀)、学識者であることは変わりないものの、徐々に音楽的なキャリアの最終地点となった。ここに音楽家としての性格付けへの変化が見えてくるようになる。そして19世紀にはいると、着任までに楽団員などの全く異なる職業音楽家の経歴を経てから到達する職業音楽家の最終地点となり、さらに時代が下がると、完全に学識者身分からは離れいわゆる音楽院(音楽大学)のような高等専門教育を受けた者たちの職責ポストとなっていったことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究開始時に計画されたとおりに、次年度以降の現地調査の準備、先行して可能な範囲での文研研究を行うことができ、おおむね順調に進展していると判断をした。
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Strategy for Future Research Activity |
文献検索の結果、予定通り今年度はザクセン地域の公文書館(ドレスデン、ライプツィヒ、バウツッェン)と、チューリンゲン地域の公文書館(アイゼナハ)、旧プロイセン地域(ベルリン、デッサウ)の上記に挙げた6種の文書の調査と分析を予定である。
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Research Products
(1 results)