2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K00128
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
北川 純子 大阪教育大学, 教育学部, 研究員 (00379322)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 浪花節 / 三味線 / 浪曲 / 曲節 / ガイズバーグ録音 |
Outline of Annual Research Achievements |
浪曲三味線の「手」(楽器が奏する旋律型)の形成について、史的経緯と継承という観点から考察をすすめる目的をもつ本研究に関しては、前年度に続き2022年度も、コロナ禍により、資料探索の拠点して使わせていただく予定であった図書館の外部者利用制限が継続されたことにより、通うのが不可能となった。利用可能になる時までのつなぎとして、国会図書館歴史的音源の公共図書館送信サービスを利用して作業をすすめたが、資料の範囲が限定的なものとなり、「経緯と継承」を考察できるような、ある程度の広がりをもつ対象にあたることはできなかった。そこで、研究計画の一部変更も見据えたうえで、20世紀最初の四半世紀に、浪曲三味線の「手」がどの程度確立されていたか、との問題に焦点を絞り、以下の小論をまとめresearchmapの個人ページ上で公開した。 (1)「浪花節における『コトバゼメ』とその三味線https://researchmap.jp/read0116676/others/40128642 (2)浪花節の節の一種である「観音」をめぐって https://researchmap.jp/read0116676/others/40664826 (3)「浪花亭愛造《浪花節高知山》における{♪抜き足、差し足}の節 」https://researchmap.jp/read0116676/others/40985708 いずれも、初期の浪花節における、演者の声と三味線演奏との関係を扱ったものであるが、(2)では従来の研究では触れられてこなかった「観音(かんのん)」という名称の曲節と三味線演奏の特徴を部分的にではあるが提示することができ、(3)では、現在の浪界には伝承されていない曲節とそれに対応する「手」の存在を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた図書館利用に制限がかかり、研究対象としている範囲の資料にあたることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
日文研図書館の外部者利用が2023年5月8日以降可能になったことから、最終年度である今年度は、できうる限り資料にあたりたい。とはいえ、利用不可だった過去2年分のブランクを埋めることは到底無理であるため、可能であれば期間延長申請をして来年度も研究を継続したい。今年度のアウトプットとしては、2022年度と同じく、20世紀最初の四半世紀における浪曲三味線の「手」について新たに見出せたことをまとめ、researchmap上で発表・公開する所存である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、予定していた旅費をほとんど使用することができなかった。今年度以降に使用したい。
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