2021 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical Basis of Design Aesthetics through Exhibitions as Historiography in Local Cities within Globalism
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21K00130
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
天内 大樹 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 准教授 (40615035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デザイン史 / 展示 / コレクション / 観光 / 野外博物館 / 建築保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はデザインに関わる展示のうち,特に野外博物館における建築展示について考察した.これは第一に,パンデミック状況下で海外デザイン博物館と比較可能な国内状況を把握するのが困難であったためでもある.しかし第二に,本研究の関心はとくにデザインの歴史に関わる語りの枠組みを把握することにあり,その点では展示替え(移築保存のやり直し?)が難しい建築展示を先に考察することが,上記把握を容易にできるためでもある. この作業には,特に日本建築学会で与えられた機会を用いた.第一には野外博物館と美術館の双方からコレクションの形成と展示企画について有力研究者をお招きして対談を行い,その記録をまとめて公開した.第二にはそこから得られた知見も活かしてデザイン教育に関する国際会議で口頭発表を行い,また国内学会における研究委員会の報告書へ寄稿することで,近代建築・都市を包括的に把握する一視点を公開した.さらにそれらを活かした研究と大学内での仕事にかんする考察も大学内向けの文章を通じて公開し,デザイン学部内での対話を通じた知見の形成により適した環境整備にも努めた. さらに,現象学的建築批評として大著であった英語の書物を共同で翻訳して刊行した.この作業を通じて,建築の外形の把握にも,典型的にはホワイトキューブと位置づけられてきた美術館を初めとする展示空間の把握にも,十分適用可能な視点を形成した.これについては学会ウェブサイトにも紹介記事を寄稿し,その意義を解説している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の1年目は国内を中心に動くことが想定されており,海外渡航ができない状況でもこれまでの知見と新たな関心の下での資料群とを組み合わせることで,知見を一定程度更新できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の2年目は中国大陸におけるデザイン博物館の見学に基づく考察を予定していたが,未だ状況は明確ではないため,一部の施設に見学を絞る,他のアジア諸国を取り入れるなどを検討したい.同時に,地方都市という観点から,各地の特に産業博物館を中心に観察する作業も続行する.
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Causes of Carryover |
国内移動が十分に行えず,依然として各館の見学を残している状態であるが,次年度にはアジア圏を中心に見学と資料収集を行いたい.
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Research Products
(8 results)