2023 Fiscal Year Annual Research Report
豊田市中央図書館所蔵江戸期雅楽書とその周辺資料に関する基礎的研究
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21K00138
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| Research Institution | Chukyo University |
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Principal Investigator |
明木 茂夫 中京大学, 国際学部, 教授 (10243867)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 徹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10313280)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 江戸期の雅楽 / 三河国挙母藩 / 内藤政成 / 安倍季良 / 山鳥秘要抄 / 東洋古典音楽理論 / 宮調・転調 / 豊田市中央図書館貴重書 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2023年度に於いては豊田市中央図書館所蔵の三河国挙母藩旧蔵書の調査、及びその雅楽関連資料の内容解析を行った。挙母藩旧蔵書については旧挙母藩主内藤家から同図書館に書物が寄贈された経緯を調査し、識語がなく旧蔵者が誰だったかについて確証のなかった雅楽関連資料が、確かに内藤家の蔵書であったことを検証した。その成果は豊田市中央図書館講演会「挙母藩から豊田市に受け継がれた資料 ～貴重資料の和装本をめぐって～」で一般市民に向けて公開した。また雅楽資料については、蔵書の内特に重要な写本である安倍季良『律呂（山鳥秘要抄）』の内容に関する分析を進め、特にその俗楽調名の由来について論文「『詞源』卷上と『事林廣記』に見る八十四宮調圖 ―安倍季良『山鳥秘要抄』の「唐燕樂二十八調略圖」と「今傳來調子根元之事」をめぐって」に於いて検証を行った。
研究期間全体を通じた研究成果は共著『豊田市中央図書館の江戸期学芸書－雅楽資料『山鳥秘要抄』とその周辺』（明木茂夫主編、汲古書院2022）、及び論文「豊田市中央図書館所蔵の挙母藩主内藤家旧蔵書について ―その受領の際の記録をめぐって」（中京大学図書館学紀要43号2023）などで公開している。主な成果としては、挙母藩旧蔵雅楽資料の内特に重要な写本『律呂（山鳥秘要抄）』全文の翻刻と校注を作成したこと、その著者安倍季良の音階理論の詳細と仏教声明音階理論との関連を明らかにしたこと、安倍季良と天皇家との関わりを示す記録（軸装本）の解読を行ったこと、挙母藩主内藤政成を中心とした雅楽活動の実態を明らかにしたことが挙げられる。さらに中央図書館貴重書庫で行った調査の際に従来知られていなかった文書「舞楽目録」を発見し、これが挙母藩と中央楽家や徳川家との関係を示す資料である可能性が明らかになったことも、望外の成果として付記しておきたい
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