2023 Fiscal Year Annual Research Report
経典・説話の融合と寺社縁起絵巻の生成―経説絵引の形成を通じた検討
Project/Area Number |
21K00151
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 聡美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00366999)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 九相図 / 法華経絵 / 仏教説話画 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたっており、本研究課題を総括し時期研究への展開を促すための作品調査を実施すると同時に、成果報告に注力した。特に、講演、出版、展覧会の開催の形で、研究成果を広く社会に還元することができた。主な活動内容は以下の通り。 1)作品調査(4件) ①寛永寺にて「両大師縁起絵巻」調査(2023年5月31日)、②静岡・本興寺にて「法華経曼荼羅」及び「紺紙金字法華経」調査(2023年6月7日)、③奈良国立博物館にて「法華経曼荼羅」調査(2023年8月8日)、④尼崎大覚寺にて唐招提寺関連聖教調査(2023年8月20日)。 以上の機会に撮影した高精細画像の整理や文字資料の翻刻を行った。 2)成果報告(主要なもの6件) ①唐招提寺開山忌舎利会記念講演会にて、「中世戒律復興と東征伝絵巻」と題した一般向け公開講座を実施した(2023年6月6日)。②説話文学会大会(六十周年記念大会)にて、「造形語彙集としての『釈氏源流』―日本中世絵巻との接点を探る―」と題し報告した(2023年7月1日)。③『増補カラー版 九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(KADOKAWA、2023年7月)刊行。④国際学会での成果報告として、JSAA-ICNTJ(豪州日本研究学会) 2023にて、Ruins as The Place of Awakeningと題し報告した(2023年9月2日)。⑤世田谷区郷土資料館「館蔵品でみる宗教美術の造形(かたち)-仏教美術を中心に-」展(2023年10月28日~12月28日)に企画協力し、事前の作品調査、図録への寄稿、関連公開講座を実施した。⑥神奈川県立金沢文庫「特別展 廃墟とイメージ―憧憬、復興、文化の生成の場としての廃墟―」展(2023年9月29日~11月26日)に企画協力し、事前の作品調査・撮影および、図録への寄稿、関連クロストークへの登壇を実施した。
|