2023 Fiscal Year Research-status Report
3D計測による縄文・弥生・古墳時代の土器装飾を貫流する「文様破調」の実態解明
Project/Area Number |
21K00156
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
石井 匠 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 外来研究員 (70638478)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 文様破調 / 縄文土器 / 岡本太郎 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間中の新型コロナウイルス感染拡大による活動制限の影響や、三次元写真計測による3Dモデルの作製に想定以上の時間を要したこと、また、本務科研費研究の最終年度と重なり多忙を極め、当初計画が大幅に遅れたため、当該年度は、招聘講演やトークイベント等において、本研究で得られた「文様破調」に関する事例紹介や新知見を織り交ぜた講演をするにとどまった。研究代表が出演したドキュメンタリー映画『縄文にハマる人々』のCINEMA Chupki TABATAにおける山岡信貴監督との上映後トークイベントや、社会学者の宮台真司氏と人類学者の奥野克巳氏、言語学者の伊藤雄馬氏とともに研究代表が登壇したYouTubeチャンネル『聞き流す、人類学。』キックオフ・トークイベントでの講演、哲学者の岩野卓司氏と伊藤雄馬氏とともに研究代表が登壇した企業企画の「野生の即興と熱狂、見えざるものと祝祭について。」のトークイベントでは、縄文土器に見られる「文様破調」の弥生時代・古墳時代以降にも見出せる時間的広がりや海外の土器にも散見される地理的広がりについて言及した。また、研究代表が埼玉県蓮田市教育委員会から招聘を受けた埼玉県蓮田市図書館・文化財展示館合同企画「こわす、こえる、うみだす」講座「常識をこわして考える、岡本太郎がみた縄文時代。」での講演では、縄文土器に見られる「文様破調」の時間・空間的広がりに関する言及のみにとどまらず、本研究の過程で新たに見いだされた「文様破調」に連関すると思われる近世陶磁器の文様構成についての新たな指摘と仮説を提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究期間中の新型コロナウイルス感染拡大による活動制限の影響や、三次元写真計測による3Dモデルの作製に想定以上の時間を要したこと、また、左記と同じ事由により活動制限を受けた本務科研費研究の最終年度と重なり多忙を極め、当初計画が大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
延長期間では、前半期に購入済みの普及版3Dスキャナを併用することで3Dモデル作製の時間短縮を図り、研究協力者に再度相談しつつ、当初計画よりも対象を限定し、土器文様の消滅とともに文様破調が煙滅していく過程が把握できると目される弥生時代末~古墳時代中期に時期を絞り、調査対象地も絞ったサンプリング調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究期間中の新型コロナウイルス感染拡大による活動制限の影響や、三次元写真計測による3Dモデルの作製に想定以上の時間を要したこと、また、左記と同じ事由により活動制限を受けた本務科研費研究の最終年度と重なり多忙を極め、当初計画が大幅に遅れた。次年度延長期間では、前半期に購入済みの普及版3Dスキャナを併用することで3Dモデル作製の時間短縮を図り、研究協力者に改めて相談しつつ、調査旅費や消耗品等に使用する計画である。
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