2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on Japanese and French silk textiles from the 2nd half of the 19th century to the beginning of the 20th century
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21K00161
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Research Institution | The Kyoto Costume Institute |
Principal Investigator |
周防 珠実 公益財団法人京都服飾文化研究財団, KCI学芸課, 研究員(移行) (70642578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ジャポニスム / 染織品 / 明治時代 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀後半から20世紀初頭、リヨン製染織品の意匠がジャポニスムの影響によって変化を遂げたことと同様に、日本から輸出された染織品も西洋の需要に応じてその意匠が変化を遂げている。双方における受容と影響によってそれらの意匠に変化があったのではないかと仮定し、日本製の輸出用染織品とリヨン製染織品の意匠における関連性について後に論証を行うため、本研究においては基礎研究資料となる史資料の発掘を主たる目的とする。 そのため、研究代表者が千總文化研究所と共に既に調査を開始している千總の史資料から、近代日本から西洋向けに輸出された染織品、及びその取引先の実態を解明したうえで、①リヨン旧織物業者、②リヨン染織美術館、③国内外の図書館などにおいて、調査該当期の日本染織品関連の未調査の史資料を掘り起こすことが、本研究の目的である。 本年度は初年度に実施できなかった国内外において現地調査を実施した。フランスのリヨン染織美術館の協力を得て、当館が所蔵する日本染織品の調査を実施した。当館では以前、ジャポニスムの影響を受けて作製されたリヨン製絹織物の調査を行ってはいたものの、それらの影響を与えた日本製染織品の調査は実現できていなかった。本調査により、ジャポニスムの一過程を垣間見ることができる。 また国内においても、各関係機関において、明治期の日本において作成された、洋装用の染織品の調査を実施した。明治期の絹織物の調査は、現存する当時の洋装品の情報を付加するものとなっている。 次年度は、引き続き国内外での現地調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度がコロナ禍において渡仏がかなわなかったため、2022年度より開始したため約一年分が遅れている。また、日本国内においても、本年度より諸機関において明治期の日本の染織品についての調査を開始することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、フランスの旧絹織物業者が所蔵している19世紀後半から20世紀初頭のジャポニスムの影響を受けてリヨンで作成された絹織物、及びその参考となった日本製染織品の現地調査を実施する。 国内では、明治期の日本、とりわけ京都における洋装のための染織品の調査を実施する。
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Causes of Carryover |
当初この項目において使用計画に計上していなかった、航空チケットの発券手数料、及び購入図書の発送費を計上したため。
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