2021 Fiscal Year Research-status Report
中国製鎗金器の基礎的研究-東アジアにおける漆器の相互的影響-
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21K00163
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
川畑 憲子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 室長 (00463505)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 鎗金 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画に沿って、以下の2テーマについて調査・分析を進めた。 (1)東京国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館が所蔵する中国製鎗金器を実見にて調査し、各作品の詳細なデータ、各文様や技法の特徴を収集した。特に大きな収穫であったのは、いわゆる鎗金経箱における鎗金以外の技法との併用や鎗金の疑似的技法の使用について、詳細を把握、分析できたことである。 (2)沖縄県立博物館・美術館、久米島博物館、浦添市美術館、東京国立博物館、九州国立博物館などにおいて、琉球製沈金器を実見にて調査し、各作品の詳細なデータ、各文様や技法の特徴を収集した。なかでも「緑塗鳳凰雲沈金丸櫃」(沖縄県指定文化財、個人蔵)は、琉球最古の沈金の作として知られるもので、15~16世紀における琉球製沈金器、中国製鎗金器を考えるうえで大変重要な作例であり、これらの調査成果は特別展『琉球』(2022年、東京国立博物館・九州国立博物館)における図録や会場解説などに執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の所期の目的は、対象としている作品の実見での調査を行うことであった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、計画していた海外調査や国内調査が延期となったものの、主要な調査は順当に進捗したことで、次年度に行う調査や分析の方針を明確にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においても、前年度に引き続き作品調査を進める。とくに文様や鎗金技法の特徴のみではなく、形体や構造の体系的な把握に留意したい。また、関連する調査対象作品の追加のリストアップや史料の入手なども徐々に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
海外及び国内において現地作品調査及び資料調査を目的とした出張を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をうけてキャンセルしたため。当該金額分については、新型コロナウイルス感染症の収束後、適切な時期に同趣旨の調査出張を実施する。
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