2021 Fiscal Year Research-status Report
Bidirectional Relationship between American Color Field Painting and Native American Culture
Project/Area Number |
21K00165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加治屋 健司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70453214)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカ美術 / カラーフィールド絵画 / 美術史 / 先住民文化 / アメリカ先住民 / ヘレン・フランケンサーラー / 非コンポジション |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルスの感染拡大で海外渡航ができなかったため、当初予定していたヘレン・フランケンサーラー財団(ニューヨーク)、アメリカ美術アーカイヴ(ワシントンDC)、ニューヨーク近代美術館図書室・アーカイヴ(ニューヨーク)、ゲッティ研究所図書館(ロサンゼルス)での調査ができなかった。その代わりに、日本でも入手可能な資料の収集と分析を行うことにした。ヘレン・フランケンサーラーとナバホ族のタペストリーの関係を中心に、フランケンサーラーと先住民文化の関係を調べるため、国内美術館が所蔵するフランケンサーラーの絵画(《ピンク・ベンド》、1979年、ポーラ美術館所蔵)を調査した。1976年にフランケンサーラーは初めて米国西部を旅行すると、厚塗りの絵具や茶褐色など暗い色調の絵具をしばしば用いるようになったが、こうした画風の変化には、1975年の粘土彫刻の制作に加えて、先住民文化への関心が西部旅行を契機に強まったことが背景のひとつにあるとの結果を得て、1979年のフランケンサーラーの絵画に関する文章をポーラ美術館の展覧会カタログに執筆した。そして、オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ・コレクションのカラーフィールド絵画の展覧会が開かれることをきっかけに、カラーフィールド絵画の構成について分析した。カラーフィールドの画家が西洋近代絵画に見られる構成とは異なる構成に関心があったとの結果を得て、カラーフィールド絵画の非コンポジションに関する文章を、DIC川村記念美術館の展覧会カタログに執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はコロナ禍で海外渡航ができず、当初予定していたニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルスの図書館、アーカイヴ、財団で調査することができなかったが、書籍の購入、論文の複写、オンライン公開情報の収集など、日本でも入手可能な資料の収集と分析に努めた。そして、国内美術館所属のフランケンサーラーの絵画の調査を行い、オードリー&デイヴィッド・マーヴィッシュ・コレクションにあるカラーフィールド絵画の展覧会が日本で開催されて作品を調査することができたため、概ね順調な進展となった。
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Strategy for Future Research Activity |
米国におけるコロナの感染状況や日米の出入国の管理体制の変化に絶えず注意を払いながら、米国に渡航することができる場合は、ニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルスの図書館、アーカイヴ、博物館で調査を行う。渡航が難しい場合は、2021年度と同様に、日本でも入手可能な資料の収集と分析を行う。2022年度はケネス・ノーランド、フランク・ステラ、2023年度はレオン・ポーク・スミス、ロバート・ラウシェンバーグ、ロイ・リキテンシュタインと研究対象を広げていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当初予定していた米国での調査ができなくなったため、次年度使用額が生じた。米国におけるコロナの感染状況や日米の出入国の管理体制の変化に絶えず注意を払いながら、米国に渡航することができる場合は、ニューヨーク、ワシントンDC、ロサンゼルスの図書館、アーカイヴ、博物館で調査を行う。
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