2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K00174
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
足立 元 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (40532487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 泉 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (30737094)
加治屋 健司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70453214)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 美術 / オーラル・ヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022度、主な調査として、クリヨウジ(久里洋二)氏、白澤吉利氏、前本彰子氏へのインタビュー調査を実施した。クリヨウジ氏は、1928年生まれの、日本の戦後を代表する漫画家の一人であり、同時に個人制作のアニメーション作家としても象徴的な人物である。彼は、60年の安保条約改正反対闘争における「若い日本の会」に参加し、浅利慶太や大江健三郎らジャンルを超えた文化人たちと連帯しながら政治闘争に関わった。1960年柳原良平、真鍋博と共に「アニメーション三人の会」を主宰し、1964年から82年までテレビ番組「11PM」に出演しながらエンディングのアニメーションを担当した。個人制作のアニメーションがこれほど長期間にわたって広く人々に届けられたことは類例がない。その時代の思いを語っていただいた。白澤吉利氏は、1940年生まれの表現者である。幼少期に谷中や池之端で遊んだ体験や、60年代において〈ゼロ次元〉や〈告陰〉などのグループのイヴェントや政治デモ、「ハンパク(反戦のための万国博)」に行った体験などが語られている。また、美学校での川仁宏、今泉省彦や松澤宥、水上旬との出会い、「ニルヴァーナ 最終美術のために」のカタログ制作、70年代の京都での表現者たちとの交流などが語られた。インタビューには、川仁宏のパートナーであった川仁俊恵氏も同席され、発言している。前本彰子氏は1957年生まれの美術家である。「もの派とポストもの派の展開-1969年以降の日本の美術」(西武美術館、1987年)、「Against Nature:Japanese Art in the Eighties」(サンフランシスコ近代美術館他(全米七ヶ所巡回)、1989年)などに参加した経験をもつ。 ほか、2023年3月、京都国立近代美術館で、研究集会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響は、引き続きある。高齢者を調査対象とする以上、感染への懸念が対面インタビュー調査への躊躇とつながることもある。感染対策を徹底する必要もあるが、おおむね順調にすすんでいる
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きコロナ対策を行いながら、研究計画を推進していく。
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Causes of Carryover |
2021年度に実施できなかった分を2022年度に実施したほか、研究集会を実施したため。
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