2023 Fiscal Year Annual Research Report
大谷探検隊将来品を中心とした西域美術の再評価に関する研究
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21K00186
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
勝木 言一郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 特任研究員 (50249918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川原 育子 名古屋大学, 人文学研究科, 助教 (10262825)
荒木 臣紀 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 上席研究員 (20537344)
谷口 陽子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40392550)
高嶋 美穂 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 特定研究員 (80443159)
岩田 朋子 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80469204)
宮田 将寛 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 専門職 (90737503)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大谷探検隊 / 敦煌 / トルファン / クチャ / ホータン / ドイツ・トルファン探検隊 / シルクロード / アスターナ |
Outline of Annual Research Achievements |
東京国立博物館は大谷探検隊将来品のほか、ペリオ探検隊将来品、ドイツ・トルファン探検隊将来品の一部、そして大英博物館やギメ東洋美術館、ベルリン美術館、韓国国立中央博物館が所蔵する西域美術の模写を所蔵している。これらに対する美術史的な調査を行った。 また東京国立博物館所蔵品のうち、敦煌莫高窟の塑造菩薩立像、影塑如来坐像、甘粛省の石窟の塑造如来像頭部、塑造乾闥婆像頭部、ホータンの壁画断片、ストゥッコ製如来立像、アスターナ古墳出土の男性文官俑などについては、美術史的な調査研究を重点的に行った。その結果、敦煌莫高窟の塑造菩薩立像、アスターナ古墳出土の男性文官俑については大谷探検隊将来品の一部であったことが明らかとなった。さらに甘粛省の石窟の塑像についてはマイクロスコープを使い、塑造材料や塑造技法を調査した。 平山郁夫シルクロード美術館、出光美術館、東京大学東洋文化研究所、根津美術館、MOA美術館、MIHO MUSEUM、龍谷大学図書館が所蔵する西域美術の作品をそれぞれ調査した。 なかでも平山郁夫シルクロード美術館が所蔵する菩薩立像幡やソグド錦については美術史的な調査を重点的に進めた。その結果、菩薩立像幡については箱書きから白石村治から田島志一へと所蔵者が交替したことが明らかになった。平山シルクロード美術館シルクロード研究会でこの調査結果の一部を発表した。 個人コレクターが収蔵する西域美術作品についても美術史的な調査を進めた。作品の中には大谷探検隊将来品の一部が含まれることも明らかとなった
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