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2021 Fiscal Year Research-status Report

メディア・アートにおける「動き」と「インタラクション」-実践的芸術理論の構築

Research Project

Project/Area Number 21K00191
Research InstitutionThe University of Electro-Communications

Principal Investigator

児玉 幸子  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10323883)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsメディア・アート / インタラクティヴ・アート / インタラクションデザイン / キネティック・アート / 芸術理論 / ヒューマンコンピュータインタラクション
Outline of Annual Research Achievements

本研究に先行してリモート演劇<新竹取物語>におけるインタラクティヴ・アートの実験を行った。これは2021年3月7日に埼玉県越生町の醸造所「越生ブリュワリー」で市民向けに開催した実空間と遠隔空間から演劇を鑑賞するイベントである。センサーを組み込んだ道具の演者や観客による操作、劇のライブストリーミングを見る鑑賞者からのコメント入力等に応じて変化する映像や音声によるインタラクティヴ・アートを舞台美術として使用した。今年度はこの実験をめぐって、①パフォーマンスとメディア・アートを融合させたパイオニアの作品調査、②インターネットを介して接続した実空間と遠隔空間におけるインタラクティヴ・アートの可能性に関する思考実験、③<新竹取物語>を実際に上演することで得られた知見についての考察を行い、書籍『観客と共創する芸術Ⅱ』所収の論文「"共創する芸術"とインタラクティヴ・アート-、『新竹取物語』の実験」(15-47頁)として発表した。
また、メディア・アートの展覧会「調布メディアアートラボVision in Motion 2021」を監修し、調布市文化会館たづくりにおいて児玉と児玉研究室学生による本研究のテーマに沿った6つの作品を展示した。展覧会にはコロナ下ではあったが市民約300名が参加し、「動き」や「インタラクション」を伴う作品の鑑賞に関するアンケート調査を行うことができた。("Vision in Motion"は、メディア・アートのパイオニアであるアーティスト、モホイ=ナジの書籍タイトルを参照している。)調布メディアアートラボ用に新たに制作された2つのVR作品に関してインタラクション2022で発表を行い、視線誘導の効果を持たせた画像を視線を入力として動かすインタラクティヴ・アートに関する論文を芸術科学会の論文誌に発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

前年度3月に開催したリモート演劇〈新竹取物語〉で得られた知見と、パイオニア期のメディア・アート作品の調査をもとに、リアル空間と遠隔空間における鑑賞を結びつけるシステムの要件とそれによる芸術の特性を考察し、書籍『観客と共創する芸術Ⅱ』に論文「“共創する芸術”とインタラクティヴ・アート---「新竹取物語」の実験」として発表した。
「動き」のデザインが個々の芸術体験の質にもたらす影響について考察するため、キネティック・アートの動きを「繰り返す動き」「偶然による動き」「創発による動き」「AI(Artificial Intelligence)による動き」の4種類に分類し、それぞれシステム開発を行ってメディア・アート作品の制作を行った。
「インタラクション」に関しては、(i)9軸モーションセンサーを組み込んだ道具を操作する、(ii)視線入力を用いる、(iii)身体動作を画像認識する、(iv)声や楽器を用いる、(v)キーボードよりコメント入力する、など異なるインタラクションの入力方法と異なる出力メディアを組み合わせてインタラクティヴ・アートを制作し、動きとインタラクションのデザインについて様々な検討を行った。
これらの作品を2021年12月4日・5日に調布市文化会館たづくりでの展覧会「調布メディアラボVision in Motion 2021」で公開し、参加者に対するアンケート調査を行い、ビデオカメラで鑑賞行動を記録した。VRHMDを用いて体験する作品に関しては、Brigid Costelloの2007年の論文にあるインタラクションの評価軸を用いたアンケート調査を行った。今後、記録映像等を利用した鑑賞体験とアンケートの分析を進める。

Strategy for Future Research Activity

メディア・アートの構想において、芸術家、作品、鑑賞者、社会との結びつきを「動き」と「インタラクション」によってデザインする芸術理論の構築を目的とし、作品の調査、作品 制作と展覧会の開催、鑑賞行動の評価による実践的枠組みで研究を進める。
2年目は遠隔地からインターネットを介して作品を変化させるアプリケーションシステムを開発し、中継される作品を見ることができるインタラクティヴ・アートの実験を行う。(アンケート調査、映像記録、コメントやアクセスログ等を解析することでインタラクションの分析と考察を行う。)
3年目には、作品の調査による考察、作品制作の方法論に関する分析、実験結果(アンケ ート調査、ビデオ、システムログ)の分析・考察を進め、国際会議において発表し、全体の研究成果としてメディア・アートを対象とした実践的な芸術学を、作品における「動き」と「インタラクション」の特徴を中心に構築し、メディア・アートの芸術学に関する書籍を出版する計画である。
研究期間内に国内・海外の美術館等で展示が予定されており、関係する団体と連携しながら研究を進める。

Remarks

調布市文化会館たづくりでの展覧会「調布メディアアートラボ Vision in Motion 2021」の開催報告を研究室のWebページで紹介しました。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] “Utopia" an Interactive Visual Experience, Equal and Borderless World, from a Semantic Concept of a Painting to a Comprehensive Eye-Navigation2021

    • Author(s)
      Negar Kaghazchi, Yuto Kobayashi, Hiroki Takahashi, Sachiko Kodama
    • Journal Title

      The Journal of the Society for Art and Science

      Volume: 20/3 Pages: 183-193

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] オンラインイベントにおけるインタラクションの実装と考察2022

    • Author(s)
      千田竜也、児玉幸子
    • Organizer
      インタラクション2022
  • [Presentation] Gravity Space : VRHMDで体験する重力をテーマとしたインタラクティブ・アート2022

    • Author(s)
      猪原拓実、児玉幸子
    • Organizer
      インタラクション2022
  • [Book] 観客と共創する芸術Ⅱ(埼玉大学教養学部 リベラル・アーツ叢書14)2022

    • Author(s)
      児玉幸子、山崎敬一、ビュールク・トーヴェ他編
    • Total Pages
      306
    • Publisher
      埼玉大学教養学部・人文社会科学研究科
    • ISBN
      978-4-9910139-4-2
  • [Remarks] 児玉幸子研究室 ニュース

    • URL

      http://www.kodamalab.hc.uec.ac.jp/news.html

URL: 

Published: 2022-12-28  

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