2021 Fiscal Year Research-status Report
地域を陶冶する「つくる・たべる・おしゃべりする」移動屋台型アートコンテンツの開発
Project/Area Number |
21K00200
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
堀 祥子 名古屋女子大学, 文学部, 准教授 (40626230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 友有 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (60397586)
東山 幸恵 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (40749066)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アートワークショップ / 親子 / 地域実践 / 対話 / オンライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発するコンテンツの着想を得た幼児教育の5領域のうち〈人間関係、健康、表現〉と、アートを関連させた対話型コンテンツの開発と実践を行った。 地域社会の親子対象の実践 を2021年11月に愛知で行なった。内容は、市販の粉絵の具で着色した紙粘土を社会と家庭をつなぐ造形的教材として位置付け、それを用いた表現活動および鑑賞活動をコンテンツ化して実践した。研究者は参加者の参与観察を行いながら実践を進めた。 愛知県内の大学で開催された「あいちワークショップギャザリング」にて実践した。対象者は未就学・就学児とその保護者で約18組の参加があった。テーマは「誰かのために作るお弁当」の模型作りであった。材料の紹介と制作方法を説明し、制作した。のちに、研究者らが開発した鑑賞カードにカメラで撮影後、シールプリンタで印刷をしたものを貼り付け、コメントなどを加えたものを会場内に展示し、来場者間で共有した。 本実践は、子どもにとって発達における「足場かけの場」として機能したと考える。また、その活動に寄り添う保護者と研究者間の会話も進めながら、日常の暮らしぶりをリサーチすることで軽い相談援助の場として機能する可能性も見出すことができた。 尚、上記はコロナ禍での活動であり、本来8月の実践予定が11月に延期になった間は、事前予約した参加者向けに、制作への興味喚起を促すためのトークライブをするなどのコンテンツを作成し、オンラインで限定公開した。教材開発の技術面や、映像でのテーマの解説などの工夫の教育技術の工夫を重ね、ゲストを交えて即興で対話をするなど研究者自身のコミュニケーションスキルを培う場としての役割も担った。 2022年5月の日本保育学会第75回大会自主シンポジウムにて、本研究の目的である「生活陶冶」の核となる「人間とは何か」を問い、フロアからの意見も聞きながら今後の研究の方向性について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度、感染症の影響のより、計画していたワークショップ企画の日時延期や、本務(実習巡回指導等)への配慮から遠方への出張が叶わず、計画していた現地調査(東海地方、奥能登)や、開発したアートコンテンツの実施と検証が計画と比較して進捗しなかった。しかし、2021年12月には地域実践のフィールドの核となる岐阜市においてこれまでの研究の過程報告と成果の地域還元を目的とする展覧会とワークショップ実践と自主シンポジウムを開催し、今後の研究の方向性を打ち出すことができた。さらに2022年5月には日本保育学会第75回大会においてその方向性を検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、現地調査について、2021度に実施できなかった分も含めてその計画を進行させている。 感染症対策について国の方向性を見極めつつ、現在、開発したコンテンツの実践と検証の場の年間配置を進めている。 本研究課題の掲げる最終目標の「地域の陶冶」について、文献講読、研究メンバーによる研究会をひらき、その達成指標を策定する。加えて、開発したアートコンテンツを世代縦断、地域横断的に実施を進め、指標に照らし合わせての検証を行い、その内容を精査していく。これに先駆けて、2021年8月、2022年3月に地域資源(商店街)を活用したコンテンツ開発し、試行した。本研究の目標である「地域陶冶」への考察、検証を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナ感染症の影響もあり、現地調査予定地に出張が叶わないことと、世界的な半導体不足による機材の調達が円滑にできない状況にあった。 今年度末に実験的に行った地域資源を活用した実践からは当該研究において有効性が期待される。それを踏まえた対話型コンテンツの開発と 実践の拡充のために他領域の研究者などを招聘を予定している。 また、日本各地で行われる芸術祭および対話型コンテンツ開発のための美術館・博物館での調査 を加速するために、次年度において当初の計画で使用する額と併用して今年度に繰り越した額を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)