2022 Fiscal Year Research-status Report
地域を陶冶する「つくる・たべる・おしゃべりする」移動屋台型アートコンテンツの開発
Project/Area Number |
21K00200
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
堀 祥子 名古屋女子大学, 文学部, 准教授 (40626230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 友有 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (60397586)
東山 幸恵 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (40749066)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 対話型アートワークショップ / 共創 / 共食 / 共鳴 / コミュニケーション / アートプロジェクト / 地域コミュニティ / 陶冶 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の着想の核の一つである、幼児教育の5領域「健康、環境、言葉、人間関係、表現」と、アートを関連させた対話型コンテンツの開発とワークショップ実践、および、昨年度に開発、実践したコンテンツの分析を行い、学会等で発表した。 昨年度の実践の分析は、「形と色」、「発達」、「場のコミュニケーション」を軸としたものであり、フロアから今後の研究の方向性や教育現場への成果の還元についてなどの質問や意見を聞くことができた。 今年度の研究では、本研究が掲げる「つくる・たべる・おしゃべりする」要素を取り入れ、地域に暮らす親子や一般成人を対象としたプログラムを開発した。実践の場は、研究者らがかねてより参画しているワークショップイベント「あいちワークショップギャザリング」(愛知県)および地域着地型観光イベント「柳ヶ瀬日常ニナーレ」(岐阜県)をプラットフォームとした。 成果の概要としては、前年度の成果である「子どもの発達における足場掛けの場」と「暮らしぶりのリサーチによる軽い相談援助の場」となったことに加え、「アートへの興味喚起」および「即興的な人間関係の構築」がコンテンツの開発と実施により促進された可能性である。 その要因の一つとして、前年度までのコロナ禍での実践における工夫として実践したことが、良好に作用した様子が伺える。例えば、オンラインや映像での資料作成の際に、画面の向こうの見えない他者に向けて「つくるものを思い描くことへの素材や方法の提示」および、言葉での配慮、考慮する「研究者自身のコミュニケーションスキルの培い」が、対面の場での参加者との対峙(共食の場面も含む)の際に、それらが画面越しでなく、直接的な影響(共鳴)を及ぼすことで、より、鮮明にアート的なイメージを伝え、伝わる場を生成(共創)したと推察する。 今後はこれら実践を核としたまとめの場を設定し、成果の地域への還元を試みる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画と実施状況を比較して、今年度は対話型のアートワークショップ実施回数も3回以上と目標値を達成しており、コンテンツの開発、検討と改良、再試行と再検討のサイクルができている。夏期には地域文化調査として計画した国内の地域現地へ赴き、芸術の共有とアート教育の現状、地域経済との相互作用等の観察を実施することも叶った。ただし、国外への地域文化調査については、本務への配慮および物価高や社会情勢への懸念から、実施は時期を見て再検討することとした。 学会発表では、「形と色」、「発達」、「場のコミュニケーション」を軸とした報告を共同研究者らと実施し、フロアから今後の研究の方向性や教育現場への成果の還元についてなどの質問や意見を聞くことができた。 同時に、アンケート結果や記録方法、分析方法の検討も含めて、他領域の研究者らと意見交換する機会が持つことが出来ており、考察と改良点の検証が可能となった。 よって、その意見交換の内容を踏まえた更なる質的分析と並行し、研究のまとめとしての「コンテンツフェス」を実践の主とする地域において準備、計画している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、昨年度末の研究方針に基づき、地域資源(岐阜県にある商店街)を活用したコンテンツ開発および実施を基盤とする、「つくる(共創)・たべる(共食)・おしゃべりする(共鳴)」の場を恒常的に開き、さらに実践的な研究を重ねている。 地域の中に開いた場での研究の過程を分析し、コンテンツの地域でのあり方を検証、改良、精査した上で、それを実践するのに適した形の什器をデザインし、制作する。 その成果を利活用し、研究計画のタイトルでもある「移動屋台型アートコンテンツ」の完成を目指し、どの地域においても援用可能な地域資源を活用するアートプログラムとして醸成させる予定である。そして、これまでの研究成果を地域社会に還元できるシステムとする計画「コンテンツフェスティバル」の実施に向けて準備を進めている。本研究の最終目標として、本研究課題の掲げる「地域の陶冶」について、文献購読、研究メンバーおよび他領域の専門家を招聘しての研究会や自主シンポジウムを計画し、その本質やこれまで行ってきた研究の位置付けを検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響や世界情勢による物価高、資材不足による機材調達の納期未定な状態が続いた。しかし、年度末頃より状況が好転しており、調達の目処も立ったところである。対話型アートコンテンツを実施し、その様子を記録してきたが、地域社会への還元方法として映像による提示を検討している。よって、次年度において当初の計画で使用する額と併用し、今年度分の繰越額を使用する計画である。
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