2022 Fiscal Year Research-status Report
インプロ(即興演劇)とジェンダーのアクションリサーチ~演者の変容過程に着目して~
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21K00205
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
直井 玲子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (00734295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園部 友里恵 三重大学, 教育学部, 准教授 (80755934)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプロ(即興演劇) / ジェンダー / アクションリサーチ / 演劇 / パフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インプロ(即興演劇)におけるジェンダー・バイアス克服を目指して米国で考案された上演形式「ザ・ベクデルテスト」(BT)の構造及び背景にある理念を明らかにするとともに、日本において継続的にBT実践を行うことによるインプロ演者の変容過程を解明することである。 2年目となる2022年度も、昨年度立ち上げた「インプロとジェンダー探究プロジェクト」をアクションリサーチの基盤として実践研究を継続することができた。同プロジェクトの構成員によるオンライン定例会(稽古)を開催し、そこにBTの開発に携わり現在もBTを実践し続けている海外のインプロ実践者5名を招聘した。加えて、今年度は、ジェンダーをめぐる文献や映画を扱う学習会も定期的に開催した。その結果、日本におけるジェンダー研究を概観するとともに、BTの具体的な実践方法や、インプロの演技や演出方法についての理解を深めることができた。 以上の実践成果の発表の場として、7月、11月、2023年1月、3月に一般公開パフォーマンス(公演)をオンラインにて開催した。それらを踏まえて、パフォーマンス開催ごとに構成員の個別インタビュー調査を行い、稽古・公演を通して感じたことを省察する語りを抽出し、実践を通した変容過程を辿ってきた。 研究成果の報告としては、日本教育学会に論文が採択された(「インプロ上演形式「ザ・ベクデルテスト」における男性演者の「恐れ」とは何か?:「弱さ」と「加害者性」のはざまで」)ほか、日本社会教育学会(9月)及び日本質的心理学会(10月)にて口頭発表を、日本質的心理学会(10月)にてシンポジウムを、表象文化論学会(11月)にてワークショップをそれぞれ企画・開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は当初の計画通り、アクションリサーチの継続を遂行でき、順調に実践・調査データが蓄積されている。また、研究成果の中間報告として、論文1点(査読有)、学会における口頭発表2件、シンポジウム1件と、ワークショップ1件を行うことができた。以上よりおおむね順調に進展していると言える
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度は、2年間継続してきた「インプロとジェンダー探究プロジェクト」におけるアクションリサーチを通して得られたデータの分析に入る。加えて、構成員が各々の所属劇団等においてインプロ実践に携わったときの変化を中心的に検討する。具体的には、構成員への個別インタビュー調査の継続、また、各構成員の所属劇団での参与観察調査を通して、 BT実践の継続によって演者のパフォーマンススタイルやジェンダー観に変化がみられるのか、BTを学び続けたインプロ演者が他のインプロ実践にいかにBTの理念や考え方を応用していくのかを明らかにする。 最終成果報告として、学会での研究発表のほか 、国内学会誌への論文投稿を行うほか、研究成果の書籍化により広く発表していく予定である。また、一般にも開かれたワークショップやパフォーマンス上演の開催(2024年2月予定)により、広く知見が還元される形で研究成果を公開する。
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Causes of Carryover |
発表を希望していた国際学会が感染症の影響で、規模を小さくしたオンライン開催になり、発表することができなくなったため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、インタビューや参与観察調査に関わる旅費や記録のための機材の購入、一般に開かれたワークショップやパフォーマンス上演の開催に関わる会場費に当てていく予定である。
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