2021 Fiscal Year Research-status Report
既存建築ストックを低コストな芸術展示施設として活用するための無人展示手法の構築
Project/Area Number |
21K00210
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐藤 弘隆 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 助教 (90867136)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 展示手法 / 無人運用 / 無人化 / 既存建築ストック / アートツーリズム / メディアアート |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ICTと映像装置を組み合わせた展示システムを開発し、無人での運用が可能な芸術展示手法の構築を目指すものである。初年度にあたる2021年度は、1)先行事例調査と2)試作システムの制作を予定していた。 1)先行事例調査では、全国各地の無人運用店舗や特徴的な展示手法を取り入れた文化施設などを視察する予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、当初予定していた施設等の視察が困難であったため、近隣の博物館施設の視察に留め、本内容については次年度実施することとした。 2)試作システムの制作では、特に無人での管理が困難な、機械装置類を主な素材とした複合的なインスタレーション作品の、無人の状況下での運用方法について検証すべく、映像機材(プロジェクター、テレビモニター)と大型プリンターをネットワークで接続したメディア・インスタレーション作品《ゴーストペインター》(2021年)を制作し、作品の稼働時間の制御や、作品の内部プログラムを遠隔で変更可能な仕組みなどを試作・実装した。本試作の一部は、富山県小矢部市の美術館施設で実施した展覧会「ゴーストペインター」(2021年12月〜2022年1月)で展示した。 本研究は最終的に、構築した展示手法及びシステムを、地域の空き家等の既存建築ストックに実装し、その効果等も含め検証する研究であるため、次年度には、実装先の候補施設との調整も進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述の通り、2021年度は1)先行事例調査と2)試作システムの制作を予定していたが、1)先行事例調査に関しては、新型コロナウイルスの影響で実施困難となったため、次年度の実施に変更とした。2)試作システムの制作については、1)先行事例調査のフィードバックを踏まえて実施する予定であったが、これまでの実績や資産を踏まえた試作に計画変更した。以上のことから、当初計画に対してやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に実施困難であった先行事例調査を実施する予定である。また、引き続き無人での管理運用を念頭に置いた展示手法及びシステムの試作を行う。展示する作品の管理だけでなく、展示施設自体の無人管理も踏まえた検証を進める。また前述の通り、実証実験の実装候補地との調整も同時に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
前述の通り、当初の計画では、2021年度は1)先行事例調査と2)試作システムの制作を予定していたが、1)先行事例調査が新型コロナウイルスの影響により実施困難となったため、実施を次年度に変更とした。また、2)試作システムの制作に係る機材購入に関しては、1)先行事例調査のフィードバックを元に行う予定としていたため、調査の実施が延期となったことにより、機材購入も2022年度に行うこととした。
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