2022 Fiscal Year Research-status Report
可視化した音声データを活用した歌唱指導の有用性の検証と声楽指導法の体系化
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21K00219
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Research Institution | Nagoya College of Music |
Principal Investigator |
森 雅史 名古屋音楽大学, 音楽学部, 准教授(移行) (50767663)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 声楽j / 音声可視化データ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、9月本研究の内容とも重なる内容で、豊橋技術科学大学教授である中内茂樹先生にお声がけをいただき「クラシック歌唱音声音響計測実験」にオペラ歌手として参加をした。実際には、電気通信大学の無音質で私の研究よりもはるかに多くの支点にマイクを設置し、もう面を被っての歌唱や台詞の音声記録を取るもので、私の研究の実施におけるマイクの位置取りや研究実施環境について新たに具体的な条件の見直しに大いに役立つものとなった。 また2023年3月10日には、研究協力者であるトーン・マイスター石丸耕一氏(東京芸術劇場、東京文化会館)と共に、日本舞台音響協会主催によるセミナー「楽器を知ろう 声楽編」にパネリストならびに声楽家として参加をし、本研究の機器システムを用いながらクラシカルな歌唱時に歌手の歌声がどのように共鳴しているのかを測定、解析することで歌声の成分や歌唱技術との関連性を開設、討論した。また、本セミナーは国立音楽大学で実施され、同じくパネリストと歌唱担当に同大学名誉教授、テノール歌手の岩渕嘉瑩先生が参加され、特に歌唱時に胸腔の扱い方について具体的な意見交換を交わすことができた。また加齢と歌唱、加齢と共鳴に関しても貴重な意見交換を交わすことが出来ている。 また本研究で用いる機器システムの使用と並行して、携帯電話でのアプリケーションを利用した音声可視化データーの歌唱実技訓練における有用性の実証に関しても取り組みを始めたので記しておきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
まず第一に、2020年に上司である教授の急逝(所属する声楽コースは同教授と本研究者森の2名で運営をしていた)から、2021年3月末実まで、本研究者が一人でコース運営に対応をしていたことが挙げられる。現在、大学行政の面でコース長、系長の他、様々な委員会に携わっており業務が非常に多忙なことに加え、授業運営に追われ、研究協力者の石丸氏との時間の調整の折り合いがつかないことも進捗状況の遅れに繋がっている。 また、オペラ歌手としての舞台出演を通じた、本研究課題に関わる研究継続は出来ているのだけれど、オペラ芸術における時間拘束もネックとなり、コンスタントな研究課題への取り組みが難しい現状にある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者の石丸氏が東京在住の為、私の勤める名古屋とは離れているが、2023年度6月、9月、12月に具体的なセッションの機会を持てるよう現在日程の調整を進めている。 また、2023年度上半期を用いて研究紀要ならびに本研究における論文執筆の具体的な可能性を探りながら、9月までに方針を固める予定である。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況が、遅れていることと関連しているが、本研究における研究協力者とのセッションを実施するための日程調整がうまくいかなかったことが挙げられる。また、本研究に用いる為に購入を予定していたSPレコード輸入に関しても滞ってしまったことから次年度使用額が生じている。
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