2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K00247
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
貴志 奈央子 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (30535381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 科学技術政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、成果報告として2022年6月に開催されたThe International Society for Stem Cell Research (ISSCR) 2022 Annual Meetingにオンラインで参加し、hESCの取り扱いに関する政策の動向が、研究者による幹細胞の選択に与える影響を分析した結果についてバーチャルでポスター発表を行った。 また、追加的な定量分析として、研究者の特性が、研究に使用される多能性幹細胞の選択に影響を与えているか否かについて検証を行った。データとしては、PubMedに登録されている2009~2019年に発表された心臓に関連する幹細胞の学術論文の中から、米国で行われた研究を抽出した。米国では、2009年にhESCの研究に対する公的な助成の制約が緩和された。本研究では、これを受けて、2009年以降、ESCに関する研究の件数に変化があったのかどうかを調査した。仮説としては、2009年の研究助成における制約緩和以降、ESC関連の研究が顕著に増加すると予測した。しかし、データの分析結果からは、ESC研究の件数において継続的な大きな伸びを確認することができなかった。 さらに、研究者の所属機関について、教育機関・医療機関・研究機関・企業・政府関係組織・その他に分類し、研究のためにESCを選択する傾向に変化は見られたかどうかを分析した。分析の結果、構成比において最も大きな割合を占める研究機関と医療機関の両方に所属する研究者について、ESCの選択に関して統計的に有意な結果は得られなかった。以上から、研究助成への制約の緩和後も、ESC研究の活性化が進んでいない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
hESCに関する政策的動向と研究者による幹細胞の選択の関係についてとりまとめた研究成果について学会発表を行ったことに加え、心臓に関連した幹細胞の研究論文における研究者の特性と選択される幹細胞の関係についてもデータの構築および分析を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究者の特性が幹細胞の選択に与える影響に関する分析の結果を国際学会で報告することを目指す。また、当該分析の結果を論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会への参加に際し、オンラインでのポスター発表を選択したため残額が発生した。残額については、今年度、対面での参加を予定している国際学会での参加費等に充当する予定としている。
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Research Products
(1 results)