2021 Fiscal Year Research-status Report
Continual value recognition and study about preservation of the specific area material based on the industrial archaeology
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21K00251
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
市原 猛志 熊本学園大学, 商学部, 講師 (00590564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 武弘 愛知大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80591510)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 産業技術史 / 鉱滓煉瓦 / 炭滓煉瓦 / からみ煉瓦 / 人造石工法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度に関しては、年度当初に研究代表者の所属変更があったこと、また同代表者の入院及び治療が前半期に行われたことから、従来のような研究にかかる執筆活動及び研究にかかる調査が十分に行えなかった。また前年度に引き続き感染症拡大防止の観点から主に前半期の出張調査が行えなかったことから、新たな成果と呼ぶべきものを特筆することが出来なかったため、科研費研究にかかる成果としては主に産業遺産学会(2021年6月及び11月)における研究発表、及び中部産業遺産研究会発行『産業遺産研究』における海外事例紹介など、全体件数としては数件に留まったことが大きな問題としてあげられる。研究分担者の発表成果に関しても代表者とほぼ同様である。 昨年度までの積み残し課題として、戦後における水硬鉱滓煉瓦の生産状況について、太平工業の有価証券報告書に記載されている生産量や実際の施工例として確認できる北九州市内の現存例などから、戦前期に作られた鉱滓煉瓦との規格の違いや、建造物としての使用例の少なさなどを確認しているが、これらは従来ほどの成果とは言えない。これも行動の制限が行われた結果、自由な学術交流が出来なかったことが大きな要因と言え、実際人造石工法にかかる調査出張も科研費に該当するものでは首都圏の往復に留まっており、実際の使用現場への調査は地方都市が多かったため、感染症拡大防止の観点から積極的な調査がはばかられた。後述する他分野との協力体制が今年度唯一目立った成果として掲出でき、これについては進捗状況などで詳しく述べていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染症拡大防止の観点から前半期の出張調査が全く実施できなかったため、研究当初計画していた佐渡への合同調査が翌年度に繰り越しとなっている。また、研究計画書にも記載した国際学会への発表もまた、順延となったため、進捗状況に関しては純粋に「遅れている」と表記した。ただし、当初想定していなかった他分野からの鉱滓煉瓦(水硬・鋳造とも)からの関心は高く、名古屋大学との共同研究会を12月に開催したほか、鍰煉瓦をモチーフとした芸術企画(瀬戸内「鍰造景」資料館)のと交流は、これまでの一連の研究では見られなかった成果と言え、今後合同研究や成果発表を行う上で、今年度は大きな転機となる年であったと言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は徐々に解禁されつつある海外への調査を念頭に置いた上で、感染症に対する大学の方針次第であるが、可能であれば他大学の学生実習報告書調査へと進めていきたい。国際学会参加としては、カナダで行われる国際産業遺産保存委員会への参加を行いながら、国内各所におけるからみ煉瓦研究者とのネットワークを構築し、最終年度の成果達成に向けた陣容の再構築を目標とする。
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Causes of Carryover |
国際学会の2022年度順延と感染症拡大防止の観点から出張調査が出来なかったことが主要因としてあげられる。
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