2022 Fiscal Year Research-status Report
ハーバード初の小児科正教授を取り巻く文脈―米国小児科学の〈母〉に着目して
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21K00258
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉岡 公美子 立命館大学, 法学部, 教授 (80240240)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 19世紀アメリカ史 / 小児科学史 / 乳児用調整乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
T・M・ロッチ教授の父ロドマン・ロッチが客死した経緯について調査を試みたが、資史料へのアクセスに困難があり難渋している。ロッチ教授の妻ヘレンの祖父(母方)であり、ロッチ教授の祖父(母方)トマス・W・モルガンの弟でもあるチャールズ・W・モルガンの日記には言及があるが、それが事実であることを裏付ける別資料が必要であり探索している。 ロッチ教授の高祖父ウィリアム・ロッチ・シニアの孫(長女エリザベス・ロッチとサミュエル・ロドマン・シニアの次男)であり、捕鯨等の事業においてチャールズ・W・モルガンと密接な協力関係にあったサミュエル・ロドマン・ジュニア(チャールズ・W・モルガンの妻サラの兄でもある)の日記になんらかの手がかりが見いだせるだろうと期待したが、あいにくアーカイブの手稿は未見である。次善の策として、地元紙モーニング・マーキュリー掲載後に出版された書籍版(1927年刊)を入手したが、ロドマン・ロッチの訃報が届いたはずの日も、遺体が到着したとされる日も、記載がなかった。もともとロドマン・ロッチに関わる記述がなかったのか、それとも編集出版の段階で省略されたのか、現時点では不明である。いずれにせよ、早世したロドマン・ロッチ(ロッチ教授の父)もその父ジョセフ・ロッチ(ロッチ教授の祖父)も、ニューベドフォードの捕鯨・貿易業者の家系のなかでは傍流であったことがわかった。 副次的な成果として、サミュエル・ロドマン・ジュニアは晩年の(未亡人となった)母エリザベス・ロッチと距離が近く、ボストンに人脈があり、後にロドマン・ロッチがロッチ教授によって改葬される(そしてロッチ教授も眠る)マウント・オーバーン田園墓地にも足を運んでいたことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19感染懸念のため、米国内のアーカイブ利用がまだ出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
史資料の調査に未だ不備が残るが、当面の成果の公表に注力する。
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Causes of Carryover |
パンデミックの影響で進捗が遅れており、次年度使用が生じた。円安・物価高騰などの影響で、旅費であれ研究支援の謝金であれ当初計画よりも経費がかさむことが懸念される。
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