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2021 Fiscal Year Research-status Report

近世中期の桜町天皇歌壇における勅撰和歌集編纂計画に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K00280
Research InstitutionMuseum of Natural and Environmental History, Shizuoka

Principal Investigator

田代 一葉  ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (90567900)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords勅撰和歌集 / 桜町天皇 / 徳川吉宗 / 覚樹院 / 月光院
Outline of Annual Research Achievements

桜町天皇の御代に計画された勅撰集について考察する本研究の初年度にあたり、総論としては、発案者である徳川吉宗のこの時期の動静に関する記録類から、なぜ吉宗がこの時期に勅撰集編纂を思い立ち、朝廷に申し入れたのかを考察する。将軍が天皇に勅撰集の編纂を奏上する「武家執奏」の形式による勅撰集は、足利尊氏に始まり、『新千載集』以降の四集がこの形式をとるため、吉宗はその形式を踏まえていると言える。
そのことを考えるために、歴代の勅撰集である二十一代集の各集について、編纂方法や和歌の傾向など、まずはすでに作られた勅撰集について調査し、理解を深めた。
続いて、二十一番目の勅撰集『新続古今和歌集』以降に実は作られていた、あるいは半ばで絶えてしまった勅撰集について調査した。
各論に関わることとしては、この勅撰集の撰集資料となったと思われる歌集の調査と翻字作業を行った。
勅撰集には女性歌人の歌も欠かせず、江戸時代には内裏の後宮と江戸城の大奥において和歌が詠まれていたことはすでに周知のことであるものの、室町時代後期以降の女性歌人については、その実態はほとんど明らかにされてこなかった。特に江戸時代の大奥の女性の和歌については手つかずの状態であったが、予備調査により、公武それぞれ数名の女性歌人の家集が確認できたため、これらを手がかりとして調査を進めていく。本年度はまず、吉宗の側室・覚樹院の『山路の梅』や七代将軍家継生母・月光院の『車玉集』という大奥の女性の歌集について調査した。さらに次年度以降対象とすべき女性歌人についても予備調査を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、所属機関の出張規制の期間が長く、出張による調査ができなかったことが大きな原因としてある。
また、主たる所属機関が新たに科研費の研究機関になるにあたり、事務の関係で年度半ばから研究費の支出ができなかったことも一因であった。
次年度は正式に科研費の研究機関となるため、研究費の支出の面で研究が滞ることはないと思われる。
上記のような支障はあったものの、年度の前半には研究図書を購入することができ、また文献調査についても国文学研究資料館や国立国会図書館のホームページで公開されている画像によって内容を確認できる資料については研究を進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策については、本年度の調査の成果を踏まえ、約300年ぶりに勅撰集編纂を申し入れた徳川吉宗の意図や、それを契機として編集に挑んだ桜町天皇歌壇の原動力がどこにあるのかを探ることで、近世期における勅撰集の権威と編集の意義、ひいては勅撰集全体の存在意義について考察することを目的としたい。
撰集資料を整える準備段階の動きや、編纂に合わせて行われた歌会や定数歌の詠み振りの傾向などを考察することで、実現することはなかったものの桜町天皇のもとで目指された勅撰集の姿をできうる限り解明することを目指し、個別の歌人の家集や桜町天皇歌壇での動き、公武のやりとりなどにも目配りをしつつ研究を行っていく。

Causes of Carryover

今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い、所属機関の出張規制の期間が長く、出張による調査ができなかったことが大きな原因としてある。
また、主たる所属機関が新たに科研費の研究機関になるにあたり、事務の関係で年度半ばから研究費の支出ができなかったことも原因の一つとして大きな部分を占める。
遅れていた機関指定の申請もようやく通り、次年度は正式に科研費の研究機関となるため、研究費の支出の面で研究が滞ることはないと思われる。
物品についてはすでに購入希望の書籍や古典籍などをリストアップしてあり、来年度の研究費の執行が可能になり次第購入手続きに移ることができる。また、新型コロナウィルスによる閲覧規制や出張の自粛も和らいできたため、調査の出張もある程度思い通りにすすめられると推測され、翌年度分と合わせて執行は可能と考える。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] 江戸時代の屏風歌・障子歌にみる名所2022

    • Author(s)
      田代一葉
    • Organizer
      国際シンポジウム 名所の図像学
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

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