2022 Fiscal Year Research-status Report
近世中期の桜町天皇歌壇における勅撰和歌集編纂計画に関する研究
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21K00280
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Research Institution | Mt.FUJI WORLD HERITAGE CENTRE,SHIZUOKA |
Principal Investigator |
田代 一葉 静岡県富士山世界遺産センター, 学芸課, 准教授 (90567900)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 江戸時代の和歌 / 勅撰和歌集 / 桜町天皇 / 徳川吉宗 / 御会集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、コロナウィルスが収束の兆しを見せたため、所属機関での出張制限が緩和され、国立国会図書館や日本女子大学図書館へ出張し、文献調査を行った。出張が可能になったことで、効率的に文献の収集ができ、特に、国立国会図書館において画像データではなく直接、桜町天皇の時代の御会集などの古典籍をまとまった冊数見られたことで、今後に繋がる収穫も得られた。 本年の研究成果としては、桜町天皇の時代を中心に御会資料を調査することで、勅撰集の撰集資料を集めることを目的とした催しについて、事例を集めることができた。また、二十一代集以降の勅撰の和歌集についても理解を深めるべく文献調査を行った。 事前の調査で明らかになっていた勅撰作者になる可能性のあった歌人として、徳川六代将軍家宣の側室で七代将軍家継の生母である月光院について、その歌集『車玉集』の翻刻と内容の精読、添削の検討などを行った。本歌集は、冷泉為村の添削があることと、為村の添書に勅撰集が編まれることになったら、三位の尼と名告るようにと、やんごとなき方(桜町天皇と考えられる)より仰せがあったことが記されているという点で、本研究について重要な資料である。年度内に発表することはできなかったが、次年度以降、成果を発表したい。 本研究の成果の一部について、研究を社会に拓いていくことを目的とした所属の静岡県富士山世界遺産センターのスタディデイ(学芸課研究会)にて、「江戸時代中期宮廷の和歌と絵画、勅撰集について」と題し、一般の方も交えた会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの進捗状況については、研究の初発段階でのコロナウィルス感染症に関する行動規制の影響があったことや、研究機関間の移管で研究費が執行できなかったことが尾を引き、本研究の進捗はやや遅れていると言える。 ただし、研究成果を公開するところまでには至っていないものの、当初予定していた研究内容は変更せずに遂行できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、桜町天皇の時代に勅撰集が編まれる可能性があったことを多角的に顕彰した、本研究の全体像が示せるような内容のものを発表(口頭あるいは論文)する。 その発表について、調査をしたりまとめたりしていく過程で、これまで対象とならなかった歌人についても知ることができると思われるので、対象についても徐々に増やしていく。 撰者とされている歌人たちの日記なども精読し、撰集過程を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、所属する静岡県富士山世界遺産センターが、科学研究費補助金取扱規程の研究機関ではなかったため、同じ静岡県立の施設であるふじのくに地球環境史ミュージアムで科研の申請を行っていた。 2021年度に静岡県富士山世界遺産センターが研究機関の申請を行ったため、ふじのくに地球環境史ミュージアムの事務担当者が移管後に執行して欲しいと言われ、研究費の執行が難しくなり、結局年度途中では研究機関になれない事も判明し、大幅に執行残が出てしまった。 ほぼ2年分の研究費を2022年度に執行することになってしまったが、出張などには余り出られず、2022年度も執行残が出てしまった。 2023年4月より大学に移ったため、上記のような事務手続き上の不都合な状況はないと考える。以前の所属よりも、研究に対する理解や体制が整っているため、今後は順調かつ計画的に研究費の執行ができると考えている。
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Remarks |
静岡県富士山世界遺産センタースタディデイ(学芸課研究会) 2023年3月28日(火) 「江戸時代中期宮廷の和歌と絵画、勅撰集について」
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