• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

外地引揚派の文芸創作と1970年前後―デラシネの文化伝承の研究

Research Project

Project/Area Number 21K00284
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

中根 隆行  愛媛大学, 法文学部, 教授 (80403799)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords外地引揚派 / 朝鮮引揚者 / 五木寛之 / 鶴見俊輔 / 中野重治
Outline of Annual Research Achievements

本研究「外地引揚派の文芸創作と1970年前後―デラシネの文化伝承」では、1960年代後半から70年代にかけて登場する外地引揚げの経験をもつ作家たちの文芸創作を対象として、諸テクスト群を整理・分析して、同時代の文芸的潮流として位置づけることを目的としている。
令和3年度は、外地引揚者たちが文芸創作を始める基盤となる1950年代の文化状況を組み入れながら資料調査・分析を実施した。朝鮮を主とする外地引揚者の文学は、個々の作家やテクストを中心に研究が進められる傾向にあるが、作家たちの知的背景や人的交流を含めて、その基盤となるのは、朝鮮戦争が勃発し、サンフランシスコ講和条約が締結される1950年代前半から1960年代にかけての時期である。
令和3年度は、この1950年代前半から1960年代にかけての時期を中心に、中野重治らが注目した「被圧迫民族の文学」(1954年)や鶴見俊輔「朝鮮人の登場する小説」(1967年)などを手がかりとして、戦後における植民地文学に関する捉え直しの経緯や同時代文学の朝鮮に対する関心を時代認識の変容という観点から検討した。また、この時期における朝鮮引揚者たちの言動とともに、五木寛之ら1960年代にデビューし、外地引揚派と呼ばれる作家の文芸創作の動向に関しても検証している。
本年度は、上記のように、外地引揚派という集合性とともに、1950年代から60年代にかけての文化状況の基礎調査を実施した。研究発表や学術論文の掲載までには至っていないが、令和4年度に本研究の研究成果を発表できるよう準備している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度は、コロナ禍の影響から国内外の資料調査や学会等での研究成果の発表が、当初の計画通りに実施できなかった。但し、そのなかで書籍の購入や資料の取り寄せ等を通じて研究を進めており、研究成果についてはまとめる準備段階に入っている。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策としては、上記の通り、令和3年度の研究成果をまとめ、まずは国内での資料調査から進め、五木寛之らを中心とする1960年代後半から1970年代にかけての外地引揚派の文芸創作の研究にとりかかる予定である。

Causes of Carryover

令和4年度の使用額が生じた理由としては、新型コロナウイルス感染症のため、国内外での資料調査等を実施することができず、当初の研究計画の通りに研究を進められなかったからである。研究の遅延については、国内外での資料調査等を令和4年度の研究計画に組み込み、可能な限り速やかに研究を進めることで対応する予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi