2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on literature materials owned by Hayashi Kiemon family
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21K00289
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
大谷 節子 成城大学, 文芸学部, 教授 (90211797)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 謡講 / 京観世 / 素謡 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症流行の影響により林喜右衛門家の調査を行うことができなかったが、調査準備の基礎研究として同じく謡の家の一つであった浅野太左衛門家の資料の読解を進めた。 その成果の一端は、能楽学会第20回大会の大会企画「能と謡文化」において報告し(2022年3月12日、リモート形式)、同じく能楽学会主催能楽フォーラムにおいて謡の家における蔵書構成についての報告を行なった(「謡の家の軌跡」基調報告(2022年3月25日、於京都観世会館)。大会企画「能と謡文化」における研究発表は2022年度発行の能楽学会誌に掲載予定である。 謡の家の成立と継承への考察は、浅野太左衛門家伝来の蔵書の解題目録に主要蔵書の影印と翻刻からなる資料集の形で公刊した(『謡の家の軌跡――浅野太左衛門家基礎資料集成――』2022年3月、和泉書院、全478頁)。 また、謡の家による謡人口の拡大がもたらした近世文学への影響について考察を進め、Practicing Japan 35 years of Japanese Studies in Poznan and Krakow(ポズナン&クラクフ日本学専攻科設立35周年記念学会、2022年3月26日、オンライン形式)において「謡という日本文化―近世文学の基底―」の研究発表を行なった。その中で、これまで知られていた謡講の数を大きく修正する謡講に関する未紹介の一枚刷り(林喜右衛門家蔵)を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査自体は感染症予防のため、控えざるを得なかったが、研究開始以前に収集していた資料の読解を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
林家当主より、感染症で増えた在宅時間に蔵書点検を行ったところ、新たな資料が見出された旨の連絡を受けている。撮影の許可が得られ次第、調査に入り、資料の翻刻を進めていく。
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Causes of Carryover |
年度内納品予定であった書籍の納品が遅れたため。既に四月に納品され、支払手続きを完了した。
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Research Products
(5 results)