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2022 Fiscal Year Research-status Report

近世中後期宮廷女性歌人における文芸生成と人的ネットワークの研究

Research Project

Project/Area Number 21K00297
Research InstitutionKyoto Sangyo University

Principal Investigator

盛田 帝子 (飯倉帝子)  京都産業大学, 外国語学部, 教授 (40531702)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords女性歌人 / 宮廷歌会 / 中宮欣子内親王 / 後桜町上皇 / 霊鑑寺宮 / 女房 / 光格天皇 / 再興
Outline of Annual Research Achievements

近世中後期の宮廷における女性歌人の実態は、豊富な資料が存在するにも関わらず、十分に明らかにされているとは言いがたい。本研究では、近世中後期堂上歌壇史の中での女性歌人の占める位置や役割・社会への影響等を資料に基づいて具体的に検討し、文化史的意義を明らかにする事を目指すが、本年度は安永・天明期の江戸における女性歌人の活動の報告、および安永期から文化期における宮廷女性歌人の活動を明らかにした。後者の具体的内容は以下の通り。
1、宮内庁書陵部、国立国会図書館、東山御文庫などに所蔵されている諸資料を基に、天明~寛政期における光格天皇歌壇において、後桜町上皇、女一宮(中宮欣子内親王)、霊鑑寺宮(孝宮)、内女房(四辻季子、中山理子、高倉茂子、葉室頼子、広橋歓子、壬生章子、久世根子、樋口藤子、山本達子、富田庸子、壬生泰子、林烈子、富田斐子、園正子、東養子、勧修寺〔女+青〕子)が、宮廷における和歌御会始・七夕御会等の公の御会や女房御月次・女房内々当座のような後宮の歌会に参加し、詠進していたことが一覧できる表を作成した。
2、宮内庁書陵部所蔵『女房補略』『親王門跡・女房補略』、陽明文庫所蔵『雲井』、東山御文庫『内女房小伝』、宮内公文書館『後宮譜料 光格天皇 上 八十』、国立公文書館〔文化十三年 親王・女房等補略〕等の資料を基に、主に安永~文化期にかけての四辻季子、中山理子、高倉茂子、葉室頼子、広橋歓子、壬生章子、久世根子、樋口藤子、山本達子、富田庸子、壬生泰子、林烈子、富田斐子、園正子、東養子、勧修寺〔女+青〕子の採用年・年齢・官名・召名・呼称などを一覧できる表を作成した。
3、安永8年(1779)~寛政13年(1801)に、光格天皇に和歌添削・歌道教育を行っていた後桜町上皇、光格天皇歌壇において重きをなしていた中宮欣子内親王、内女房の動向が確認できる「光格天皇と女性歌人 関係略年譜」を作成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

コロナ禍のため、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用が制限されており、計画的に資料収集および基礎調査を行うための機会が得られない状況が長らく続いている。本年度は、少しでも研究を前進させるために、可能な限り調査収集を行い、得られた情報を整理・分析することによって学会発表を行い、周辺領域も含めた研究者に批評や意見を請うことで、研究を推進しようと努めた。
日本近世文学会秋季大会における発表において、当初の目的であった近世中後期堂上歌壇における女性歌人一覧表の作成、宮廷歌会参加女性歌人の年譜の作成、後桜町天皇・中宮欣子内親王を中心とする歌壇の実態を解明への、基礎的段階での報告はできた。しかし、それぞれを充実させるためには、更なる諸資料調査が必要である。
当初の研究計画からすると、進捗状況はやや遅れているが、研究成果のWEB公開を含め、次年度に向けての研究推進のための見通しをつけることができた。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用制限が緩くなる可能性が高いため、資料収集ための調査を積極的に行い、研究成果の報告、および研究成果を公開するためのWEB構築を目指す。具体的には、近世中後期堂上歌壇における女性歌人一覧表の充実、宮廷歌会参加女性歌人の年譜の充実、後桜町天皇・中宮欣子内親王を中心とする歌壇の実態の解明である。逐次学会発表・論文執筆を行いながら、WEBページを開設し、女性歌人一覧や年譜、また主要資料の翻刻・資料の画像・研究論文などを、逐次見やすい形でアップロードしていくことを目指す。
また、文学・歴史学・女性学・教育学等の研究者を招き、学際的なシンポジウムを行うための準備を行う。

Causes of Carryover

コロナ禍のため、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用が制限されており、研究を遂行するための十分な調査ができない状況が続いている。そのため、本年度に行う予定であった調査収集を次年度に行わざるを得ない状況となり、次年度使用額が生じた。
しかし、次年度は、古典籍を所蔵する公共機関・研究機関の利用制限が緩くなる可能性が高いため、研究を当初の予定通りに推進するために、本年度、行う予定であった調査収集を積極的に行い、その成果としての論文執筆や学会発表を行い、国内外の研究者を含めた研究集会を主催し、参加することによって、学術交流を深め、研究を推進する。
また、研究成果を公開するためのWEBページを開設する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 安永天明期における王朝文化の復興ー古典知の再創造と人的交流-2022

    • Author(s)
      盛田帝子
    • Journal Title

      日本文学

      Volume: 71巻7号 Pages: 24-35

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 東都における宮廷文化再興の系譜ー吉宗・宗武から景雄・季鷹・千蔭へ2022

    • Author(s)
      盛田帝子
    • Journal Title

      日本文学研究ジャーナル

      Volume: 23号 Pages: 110-130

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 光格天皇と女性歌人2022

    • Author(s)
      盛田帝子
    • Journal Title

      2022年度 日本近世文学会 秋季大会資料集

      Volume: 1 Pages: 148-167

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 光格天皇と女性歌人2022

    • Author(s)
      盛田帝子
    • Organizer
      日本近世文学会秋季大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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