2021 Fiscal Year Research-status Report
琉球文学の先端的研究―『おもろさうし』と琉歌の再定義―
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21K00311
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
間宮 厚司 法政大学, 文学部, 教授 (30199913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
URBANOVA JANA 法政大学, その他部局等, 講師 (00836554)
福 寛美 法政大学, その他部局等, 講師 (10815260)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 琉球の古典語 / 上代東国方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度はコロナ禍で沖縄での調査が進まず、我々研究グループ3名はZoomミーティングを月に1回行う形で研究を進めた。その結果、共同で行った研究としては、2021年12月9日(木)の14:00~16:00に法政大学沖縄研究所主催の公開講演会(Zoomにて配信)を下記の内容で開催した。 公開講演会:「上代東国方言と琉球の古典語」講演者:福寛美 14:00~14:05 司会 大里知子(法政大学沖縄文化研究所専任所員) 14:05~15:05 講演 福寛美 15:05~15:20 コメント 間宮厚司 15:20~15:25 休憩 15:25~16:00 質疑応答 ヤナ・ウルバノヴァーほか数名 そして、講演の研究内容は以下のとおりである。 『おもろさうし』(1623年最終編纂)は、おもろを集成した神歌集である。そのおもろ、そして後代の琉歌の言葉の中に、上代東国方言が存在する。上代東国方言とは、『万葉集』の東国の人々が作った歌群に見られる方言である。その理由について、仮説を提示したい。おもろの言語を精査した先学は、おもろ語のうち大和語と共通している語の8割以上が大和の室町時代の言語であり、「『おもろさうし』は11~12世紀の大和語を積極的に取り入れている」と論じる。また、琉球のグスク時代と先史時代では琉球人の骨格が異なり、本土からの中世人の南下もその大きな要因であった。おもろに残る上代東国方言は、中世期、上代東国方言の残存した地帯から人々がある程度まとまって南下したことを示すものであると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
代表者の間宮厚司が2021年3月16日に脳出血のため、入院して2021年9月16日まで職場の休職になり、退院後もリハビリを通院して、現在も継続して行っている。それに加えて、コロナ禍もあり、沖縄調査の研究は遅れております。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2021年度に行う予定であった沖縄での調査を行いたい。しかしながら、これはコロナ禍が、どうなるかで決まるものである。そして、2021年度に行った公開講演会を引き続き、福寛美以外の間宮厚司かヤナ・ウルバノヴァーが研究発表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍により、調査・研究が進まなかったためである。今年度の使用計画は、調査・研究を進めて、有効に使用したい。
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Research Products
(6 results)