2021 Fiscal Year Research-status Report
戦時下から戦後占領期における稀覯文芸雑誌の発掘とその内容に関する総合的研究
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21K00312
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 雑誌 / 戦争 / メディア / 占領期 / 探偵小説 / 大衆 / 江戸川乱歩 / カストリ |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、単著として『『探偵新聞』復刻版 附解題』(金沢文圃閣、2021)を刊行した。共編著として石川巧、金子明雄、川崎賢子、小松史生子、谷口基、浜田雄介、山口直孝編『占領期『宝石』』復刻版(三人社、2020~2021)を刊行した。共著として「〝カスバ〟とよばれた街 一九六〇年代の雑誌メディアにおける〈釜ケ崎〉の表象」(坪井秀人編『戦後日本の傷跡』臨川書店、2022)、「ドキュメンタリー映画の闘争「「山谷 やられたらやりかえせ」を読む」(坪井秀人、宇野田尚哉編『対抗文化史』大阪大学出版会、2021)、「寄せ場の表象―大衆雑誌にみる高度経済成長期の「山谷」」(阪本博志編『大宅壮一文庫 解体新書 雑誌図書館の全貌とその研究活用』勉誠出版、2021)を執筆した。論文として「活字との密約―『貼雑年譜』に見る乱歩の雑誌偏愛―」(『立教大学日本文学』第127号、2022)、「占領を解かれた「宮本武蔵」―新国劇版ラジオドラマを読む」1、2(『大衆文化』第25号、第26号、2022)、「炭都の戦後復興―『大牟田春秋』を読む」(『立教大学日本文学論叢』第21号、2021)、「グロテスクの見せ方―江戸川乱歩「悪夢」の伏字」(『敍説』Ⅲ-19号、花書院出版、2021)、「岩谷書店の〈マニア精神〉」(『図書新聞』2021・11・20)を執筆した。学会発表として「戦後占領期のタブロイド紙『北海道ウイークリー』を読む」(日本近代文学会北海道支部、2022)、「「よみうり抄」にみる〈移動〉と〈滞留〉」(「日本の新聞彙報欄を活用した研究の国際ワークショップ メディア・大正時代・「よみうり抄」」、早稲田大学SGU国際日本学拠点、2022)を、講演として「雑誌偏愛―文学研究はなぜ愉しいのか」(都留文科大学国語国文学会、2021)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単著および単独研究については、コロナ禍のため全国の地方で保存されている雑誌資料の調査が滞ったり、研究成果の報告が遅れたりという予期せぬ事態はあったが、研究に関しては概ね予定通りに進捗している。ただし、共編の仕事については、対面での研究会や打ち合わせをすることができなかったため、作業が遅れているところもある。こちらについては、今後出版社と綿密な打ち合わせをするとともに、他の研究者の状況を的確に把握する必要があると感じている。また、雑誌資料を発掘してそのデータベースや総目次を作成し、復刻版を発行していく作業は数年にわたる長いスパンでの仕事になるため、単年度で成果を出すことの難しさも感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、編著『マニアック〈文学〉資料コレクション』(勉誠出版、2022)、石川巧〔編者代表〕、飯田祐子、小平麻衣子、金子明雄、日比嘉高『文学研究の扉を開く』(ひつじ書房、2022)、石川巧〔編集代表〕『カストリ雑誌総攬』(勉誠出版、2022)、石川巧・大原祐治編『戦後占領期地方総合文芸雑誌事典』(金沢文圃閣、2022)、石川巧、須田喜代治、杉浦静、滝上裕子、十重田裕一、宗像和重、山岸郁子編『『読売新聞』「よみうり抄」大正編』(文化資源社、2022)の刊行を準備しており、着実に研究成果を公開できると考えている。
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Causes of Carryover |
2021年度の予算については適切な執行をしたと考えているが、最後に190円の残額が出てしまった。こちらについては2022年度の早々に執行できると考えている。
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Research Products
(13 results)