2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on Du Fu's literary writings that do not observe the rules of rhyming
Project/Area Number |
21K00321
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大橋 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20451453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加固 理一郎 文教大学, 文学部, 教授 (20241755)
谷口 匡 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20244767)
谷口 真由実 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (30217137)
高橋 未来 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30781603)
坂口 三樹 文教大学, 文学部, 教授 (90279612)
樋口 泰裕 文教大学, 文学部, 教授 (90382473)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 唐代文学 / 杜甫 / 散文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下に示す通り研究検討会を行った(いずれもZoomによる)。小田健太「秋述」(2022.04.24)、谷口匡「東西両川説」(2022.05.28、07.02)、高橋未来「為華州郭使君進滅殘寇形勢圖状」(2022.09.03、10.01)、冨山敦史「唐故范陽太君盧氏墓誌」(2022.11.27、01.22)、三上英司「唐故萬年縣君京兆杜氏墓誌」(2023.02.1、03.26)。 回数にして9回、合計5名の会員の発表が行われた。いずれの会合も13時から16時すぎまで検討が行われた。あらかじめ発表者は原稿を用意し、それを研究代表者の大橋が、事前にGoogleドキュメントにあげて、会員各自が批正をしたうえで会に臨むようにしたため、時間を効率的に使うことができるように工夫した。 また、Zoomの遠隔システムを利用したとこにより出張費用の大幅な軽減化がはかられるとともに、参加者も毎回多数集めることができた。 各研究会においては、活発な議論がなされ、質疑に基づき、担当者の発表が二回に亘る場合には翌月の発表にさきだち改稿原稿を提出し、訳出の精度を高めるように努めた。 加えて、これまでの訳注を学術誌・紀要などに投稿し、研究結果を公にもできている。具体的には、大橋賢一「杜甫「画馬讃」訳注」(『中国文化』80、2022)、谷口匡「杜甫「東西両川説」訳注」(『杜甫研究年報』6、2023)、高橋未来「杜甫「為華州郭使君進滅残寇形勢図状」訳注」(『中国学志』37、2023)、加固理一郎「杜甫「為■(門+良)州王使君進論巴蜀安危表」訳注」(『文教大学国文』52、2023)、谷口眞由実「杜甫「鵰賦」(鵰の賦)訳注(二)(『杜甫研究年報』6、2023)の以上五篇である。こうした活動を通して、広く本会の成果を伝えることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、おおむね順調に研究が進展していると判断できる。上述したように、年間9回の発表会を行っただけでなく、五本の訳注を公にすることができたからである。 本研究会のまとめによれば、杜甫の散文は全部で29篇に及ぶが、そのうち、これまで19篇の検討がすでに行われている。また、そのうち学術雑誌に公表したものは、15篇に及んでいる。以上のように、本数としての進捗状況はおおむね順調と判断できるのであるが、ただ、いわゆる、杜甫の「三大礼賦」、すなわち「朝獻太清宮賦」「朝享太廟賦」「有事于南郊賦」の三篇については、研究期間内に読了、及び学術誌などに公にすることが困難であることが現時点で予想された。そのため、これまでの方針を変更して、本研究では、賦を除いた杜甫の散文をひとまずは公にすることにし、残された二年の研究期間で、この目標を達成させられるように鋭意努力することにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針としては、これまで通り、月例で研究会を行い、引き続き杜甫の散文を検討することを基本とする。今年度予定としては、三上英司「唐故萬年縣君京兆杜氏墓誌」(2023. 04.23、05.21)を予定しており、その後、宇賀神による「祭遠祖當陽君文」を検討する予定である。また、論文として発表済みである、谷口眞由実「奉謝口勅放三司推問状」などについても、会として検討を行うことを予定している。 また、本年度、北海道教育大学旭川校で開催予定(9月2日土曜日)の日本杜甫学会大会において、本研究会主催のシンポジウムを行う予定である。現在のところ、「杜甫の散文について」と題し、総合司会、及び三人のパネリストを会員から募って開催する運びとなっている。このシンポジウムを通して、本研究会の成果をより広く周知するとともに、社会に還元する予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍において、出張費などが予定通り消化できなかったことが理由として挙げられる。また、今回の差額については、今年度シンポジウムが予定されているので、その際に利用することとする。
|
Research Products
(7 results)