2021 Fiscal Year Research-status Report
イギリス・ロマン主義文学における非国教徒アカデミーの影響ーキーツの作品を中心に
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21K00355
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
江口 誠 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (50332060)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非国教徒アカデミー / ユニテリアン / ロマン主義 / キーツ / プリーストリ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、今ではユニテリアン主義と呼ばれているキリスト教の新しい信仰の歴史について調査し、それをまとめるという作業を行った。本研究の目的の一つとして、17世紀第4四半世紀以降のイギリスにおける非国教徒アカデミーの成立とその発展、並びにその進歩的な教育方法の考案とその継承を整理することを掲げている。非国教徒アカデミーの歴史を理解するためには、まずは16世紀以降の、いわゆる宗教改革以降のキリスト教に対する人々の考え方や捉え方の変化を把握することが肝要であるからである。ユニテリアン主義は、ローマ・カトリック教会で採用されている三位一体論に対して真っ向から異を唱えたものであり、イギリスにおける非国教徒アカデミーにも少なからず存在していたユニテリアン派の教師たちについて理解する上では、その新しい信仰形態の内容とその成立の経緯について調査することが必要であった。 令和3年度の研究成果としては、1件の研究発表を行い、さらにその発表を元にした1本の査読付学術論文を上梓することができた。論文の題目は、「イギリスにおけるユニテリアン主義:プリーストリに焦点を当てて」である。ユニテリアン主義の歴史を概観し、さらにはジョーゼフ・プリーストリが考えるところの理想的なキリスト教、つまりは原始キリスト教への回帰について考察した。しかしながら、プリーストリは多産な作家であり、彼の残した文献は膨大なものであるため、さらなる資料の読み込みが必要であることも明らかとなった。この点については、次年度以降の研究課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集及び文献の精読、研究成果の発表については概ね順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続いて、イギリスにおけるユニテリアン主義の影響及び非国教徒アカデミーに関する資料収集を行うとともに、可能であればその成果発表についても行いたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、当初予定していたイギリスでの資料収集ができなかったため。
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