2021 Fiscal Year Research-status Report
An Intertextual Study of the Visual Reception of Shakespearean Characters
Project/Area Number |
21K00361
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 久雄 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80203769)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | シェイクスピア / 視覚的受容 / インターテクスチュアリティ / 登場人物 / 図像データベース / 黒澤明 / リア王 / オフィーリア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、プロジェクト研究の初年度にあたり、シェイクスピア劇登場人物の視覚的受容に関するデータベースを構築するために、機材やソフトウェアをそろえ、関連文献資料の収集を実施した。データベースの仕様を策定し、試験的にシェイクスピア劇登場人物の視覚的受容のインターテクスチュアリティ事例研究に応用して、仕様確定のために改良とデータ蓄積を開始した。新型コロナ感染拡大継続のため国際学会参加や海外研究機関における調査が実施できなかったが、国内・国際学会には遠隔で遠隔で参加した。The 37th International Conference on Psychology and the Arts (Zoom; 30 June -3 July 2021) ではリア王の日本映画における視覚的受容に関する研究発表を行った。World Shakespeare Congress (Singapore; 18-24 July 2021)では Seminar "Remembering War Through Shakespeare" に参加し、黒澤明監督シェイクスピア映画における戦争のインターテクスチュアリティに注目しシェイクスピア劇登場人物の視覚的受容に関して研究発表を行った。インターテクスチュアリティ研究に関する方法論をさらに発展させるために関連分野の三名のシェイクスピア研究者にも参加してもらい日本英文学会九州支部大会においてシンポジウム「演劇とインターテクスチュアリティ~シェイクスピア・地図・予言・ジェンダー・歴史書」を企画・開催しプロシーディングとして成果をまとめ公開した。韓国シェイクスピア学会発行Shakespeare Special Review にオフィーリアと日本の女優の伝統に関する研究論文がアクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染拡大継続のため国際学会参加や海外研究機関における調査が実施できなかったが、国内・国際学会には遠隔で遠隔で参加し、研究実績の概要に述べたように成果を上げている。具体的にはThe 37th International Conference on Psychology and the Arts (Zoom; 30 June -3 July 2021)と World Shakespeare Congress (Singapore; 18-24 July 2021)においてインターテクスチュアリティに注目したシェイクスピア劇登場人物の視覚的受容に関して研究発表を行った。インターテクスチュアリティ研究に関する方法論をさらに発展させるために日本英文学会九州支部大会においてシンポジウム「演劇とインターテクスチュアリティ~シェイクスピア・地図・予言・ジェンダー・歴史書」を企画・開催しプロシーディングとして成果を公開した。韓国シェイクスピア学会発行Shakespeare Special Review にアクセプトされ4月に発行される予定である。シェイクスピア登場人物受容データベース構築に関してはデータベースの仕様を作成し、ケーススタディにより完成度を高めている。海外でのデータ収集は行えてないが、過去に国内・国外で収集した画像データを利用してデータ入力を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
シェイクスピア登場人物受容データベース構築をさらに進め、データベースの仕様を確定し、データ入力を進める。シェイクスピア劇登場人物の視覚的受容のインターテクスチュアリティ研究に関してはいくつかのケーススタディを積み重ねてきたので、今後はさらにデータベースを活用しながら俳優と登場人物の関係に特に焦点をあてながらシェイクスピアの視覚的受容におけるキャラクターの重要性を明らかにしていく。特に舞台や映画、絵画や写真や挿絵においてシェイクスピア劇登場人物が作り出した一種のキャラクター文化を分析し、シェイクスピア受容におけるその役割を検討し、英国におけるシェイクスピアの国民詩人化と大衆化に大きく貢献したキャラクター文化が、シェイクスピアとともにどのように日本にも流入し、日本の文化や社会に影響したのかを明らかにしていく。そのためには国内・国外における関連研究機関における調査と資料収集を行い、論文化して国内・国際学会・研究会で発表を行う。成果論文は関連学会誌などに投稿し、公開していく。2023年度は研究成果の社会還元のために市民公開講座を開催する予定なのでそのための準備も進めていく。最終的にデータベースは可能な限り研究者に広く公開する予定なので、公開のための方法を検討し、研究成果については科研公開促進費の利用も視野に入れて出版へ向けて準備していく。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大継続のために国際学会参加と国際研究機関における研究調査が実施できず、国内・国際学会は遠隔参加となったために、旅費として計上していた予算が使えなかったので、関連研究文献などの備品購入に使用した。感染が収まった後、国際学会参加や海外研究機関での調査研究も再開していきたいので次年度使用額はそちらに使用することを計画している。コロナ感染が継続して海外渡航などに無理がある場合には国内研究期間での調査研究に切り替えていく。
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Research Products
(4 results)