2022 Fiscal Year Research-status Report
Poetics of the Wind: Lyre and Gyre
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21K00363
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石川 隆士 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (60315455)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | イェイツ / 英文学 / ケルト / 竪琴 / 螺旋 |
Outline of Annual Research Achievements |
沖縄外国語文学会第37回大会にて「The Wild Spirals:Robinson Jeffers における生成的調和」、8th International Yeats Society (IYS) Conferenceにて「Poetics of the Wind: Generative Harmony of Yeats’s Double Gyre」、日本英文学会中部支部第74回大会にて「風の詩学―竪琴と螺旋―」の国際学会1つを含む3回の研究発表を行った。 特に「The Wild Spirals:Robinson Jeffers における生成的調和」ではアメリカ詩の主だったいずれの伝統にも属さず、どこかに安住するのではなく、一定の力関係の中から自らの方向性を見出し、同時に常に変化し続ける特質を持つRobinson Jeffersの作品と生き様に、イオリアの竪琴から螺旋へ移行するひとつの変容点といえる。 また、同時にJeffersの描く自然においては、明確に人間が周辺化されており、現代のエコロジーにおいて常識ともいえるこうした見方が、ダーウィンの進化論を超えてさらに遡り、おそらく太古の土着信仰と共有される意識であると考えられる。それは、ヨーロッパ大陸におけるケルト文化のように、中央集権的で一元的な世界観を主張するグレコ・ローマン社会によって周辺に追いやられていただけなのであり、多様性、動的連続性という特徴で有名なケルト文様に見られる螺旋は、世界の「再」多元化の中で生成的調和を表象する20世紀からの螺旋として再現前化されたとも言え、その典型例としてJeffersを追求する重要性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の段階的公表としての研究発表は予定通り実施でき、研究論文の執筆にとりかかっている。 国際学会において十分な評価を得たことは、細かい文献調査の積み上げによるものであり、本研究課題の進捗としては順調に進展しているといえる。 また、コロナ禍の規制が緩和され、海外渡航が可能になったため、グローバルな視点で本研究を検証そして拡充するために、パラオという新しい対象地域での資料収集が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度については、これまでの調査に基づく研究発表を少なくとも一回実施する予定であり、学術論文も執筆中である。 今後も国内外の研究発表あるいは論文投稿を毎年実施する。 一次資料収集のための海外渡航は、まずはアメリカ、ヴァージニアで新たに確認された一次資料の調査を始めとして。ドイツ、フランス、スコットランド、アイルランドと予定されている調査先を柔軟に組み合わせながら実施予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が沈静化するまで海外渡航を控えていたため、年度末に一度実施できたのみであったたため、残額が生じた。残額については令和5年度の旅費に積算する形で充実した調査にする予定である。
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Research Products
(3 results)