2023 Fiscal Year Research-status Report
Acculturation in the Middle Ages from the perspective of the transmission of texts
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21K00375
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
和田 忍 駿河台大学, 法学部, 准教授 (00587363)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 古英語文献学 / 古アイスランド語文学 / ゲルマン人由来の異教信仰 / 中世ヨーロッパ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルフリッチによって10世紀末に書かれた古英語散文「異教の神々について」のテクストがアイスランドにて古アイスランド語翻訳テクストとして存在している。この古アイスランド語テクストを日本語に翻訳する作業を本研究の中心に据えている。これについては、個人的事情や分析に時間がかかっていることもあり、かなり遅れている状況である。そして、本研究の期間中、該当テクストに関係する研究もあわせて行っていたこともあり、当初の最終年度で研究を終えることができなかった。そのため、期限を一年延長をすることとなった。 本研究におけるこれまでの作業は、アルフリッチによる古アイスランド語テキスト翻訳、テクスト作成されたアングロ・サクソン後期のイングランド地域を中心とした社会・文化研究、同時代人であるウルフスタンによるテキスト翻訳の3つに分けられる。 まず、アルフリッチのテクスト翻訳に関しては、助成を受ける前段階に行った「中世ヨーロッパにおけるテキストの伝達―アルフリッチの説教の場合(1)」(『中央英米文学』第50号、中央英米文学会、1-12ページ)に加えて、「中世ヨーロッパにおけるテクストの伝達―アルフリッチの説教の場合(2)(『中央英米文学』第55号、中央英米文学会、38-52ページ)」を行った。未作業である箇所の翻訳を完成させることが最終年度の目的である。 本研究に関連する社会・文化研究としては、アングロ・サクソン後期のイングランド地域における異教信仰文化について2本の論文報告をした。また、同時代作家のウルフスタンによるテクストの翻訳作業に参加して、共著として報告を完了した。 改めて、最終年度はアルフリッチにおけるテクストの日本語翻訳作業を完成させて、全体の総括を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本務校の異動に伴う個人的都合や本研究に関連する研究に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
アルフリッチによる「異教の神々について」の古アイスランド語翻訳テキストを分析したうえで、日本語翻訳を完成させて、全体の総括を行う。そのために必要な研究書籍の購入と、研究に関連する学会および研究会への参加費用として、研究費を利用する。
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Causes of Carryover |
昨年度までに研究が終了しなかったので、次年度にて課題研究のための書籍購入のため、および関連学会や研究会へ参加して資料、情報収集をするために残りの費用を利用したい。
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