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2022 Fiscal Year Research-status Report

コンピュータによる『カンタベリー物語』諸写本と初期近代英語期印刷本の計量的比較

Research Project

Project/Area Number 21K00380
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

地村 彰之  広島大学, 人間社会科学研究科(文), 名誉教授 (00131409)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中尾 佳行  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (10136153)
佐藤 健一  滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
大野 英志  広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (80299271)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsチョーサー / 『カンタベリー物語』 / コンピュータ / 写本 / 初期近代英語 / 印刷本 / 計量的比較
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、ジェフリ・チョーサー写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサーのtextual criticismに貢献することにある。
本研究では、すでに成果を出したCaxton版『カンタベリー物語』[初版(c.1476)(Cx1)と第2版(c.1482)(Cx2)]に加えて、キャクストン以後の重要な印刷本であるPynson版(1492)とWynkyn de Worde版(1498)と他の写本やテクストとの間に生じた異同の問題を取り上げている。Hengwrt(ヘングウルト)写本とEllesmere(エルズミア)写本は『カンタベリー物語』の代表的写本であるが、印刷本としては、キャクストン版に次いで15世紀後期に作成されたPynson版(1492)とWynkyn de Worde版(1498)は重要なものである。ここで16世紀と17世紀の印刷本を加えて、どのように英語の標準化の過程に大きく関わっているかについても研究の対象にしている。本研究は、今日までのテクストの伝達と継承の問題を考えるための基盤的研究である。
特に、今回はThynne版(1532)以後の印刷本Speght第1版(1598)、第2版(1602)、第3版(1687)のデータ入力をしている。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期近代英語期印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテクスト処理の第一段階に達している。つまり、Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、Caxton版[初版(Cx1)]、Caxton版[第2版(Cx2)]、Pynson版、Wynkyn de Worde、Thynne版、Speght版を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータの作成を始めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

16世紀後半から17世紀の印刷本Speght版(1598, 1602, 1687)のデータ入力をすすめた。『カンタベリー物語』の代表的写本と初期近代英語期印刷本と今日用いられている刊本とが容易に比較できるように、パソコン上でのテクスト処理の第一段階に達することを目指した。Hengwrt写本、Ellesmere写本、Blake版、Benson版、Caxton版[初版(Cx1)]、Caxton版[第2版(Cx2)]、Pynson版、Wynkyn de Worde版、Thynne版、Speght版を縦軸に並べて一目で共通点と相違点が把握できるデータの作成を始めたからである。2021年度はテクスト入力作業の初めとしては順調に滑り出したかに思われた。しかし、入力するテクストが多いので全テクスト入力までにはまだ可成りの時間がかかるため、2022年度は全体を見渡してみるとやや遅れているといえる。

Strategy for Future Research Activity

計量統計学の専門家である研究分担者佐藤健一氏によって、各テクストを2次元上で分析(Cmdscale)したり、各テキストの距離をクラスター分析(hclust)する統計解析のノウハウを提供してもらっている。言語統計解析を加えることによって、今まで以上に客観的な分析を進めていくことになる。データ入力については、中尾佳行氏、大野英志氏とともに総合的に進めていく予定である。特に、印刷本の文字において現代英語の文字にないものについては、入力文字に異同がないように細心の注意を払うことにする。

Causes of Carryover

2022年度も2021年度と同様にテクスト入力の基本的作業を続けた。データ入力に関連する文献収集やデータ入力用のコンピュータなどを購入するために予算を使ったが、コロナ禍のため国内外で開かれる研究会や学会に出席して直接的に情報・資料収集をすることができなかった。
2023年度においては、データ入力のためだけでなく、国内外で本研究についての情報・資料収集することを目指す。さらに、研究発表をすることによって、対外的に研究成果の一部を公表する予定である。そのために予算を必要としている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] 日本における『カンタベリー物語』と池上忠弘監訳『カンタベリ物語』共同新訳版(悠書館、2021)について2023

    • Author(s)
      Jimura, Akiyuki
    • Journal Title

      Studies In Medieval English Language And Literature

      Volume: 38 Pages: 13, 29

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 『カンタベリ物語』の写本と初期刊本2022

    • Author(s)
      中尾佳行・池上忠弘
    • Journal Title

      池上忠弘企画・狩野晃一編:『チョーサー巡礼―古典の遺産と中世の新しい息吹に導かれて』、東京:悠書館

      Volume: 1 Pages: 51, 91

  • [Journal Article] 経時測定データに対する非負値行列因子分解によるソフトクラスタリングについて2022

    • Author(s)
      佐藤健一
    • Journal Title

      応用統計学

      Volume: 51(1-2) Pages: 1, 18

    • DOI

      10.5023/jappstat.51.1

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] An Attempt to Identify Textual Ghosts of the 15th-century Canterbury Tales Editions: With Special Reference to Impersonal Verbs2022

    • Author(s)
      Ohno, Hideshi
    • Organizer
      第22回国際チョーサー学会
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] How to Translate Chaucer’s Multiple Subjectivities into Japanese: Ambiguities in His Speech Representation’2022

    • Author(s)
      Nakao, Yoshiyuki
    • Organizer
      第22回国際チョーサー学会
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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