2023 Fiscal Year Research-status Report
チカネックス文学とアジア系アメリカ文学における女性のアイデンティティ
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21K00383
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
楠元 実子 熊本高等専門学校, リベラルアーツ系人文グループ, 教授 (60353348)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / エスニックマイノリティ / アイデンティティ / 女性文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は研究実施計画書の計画通り、アジア系アメリカ人の女性作家の作品の研究を続け、また、チカネックスの文学・文化の資料調査と撮影を行うことができた。夏季休暇中に渡米してカリフォルニアとテキサスで調査研究を行った。サンノゼとサンフランシスコのJapantown, 日系アメリカ人サンノゼ歴史資料館の調査,UCバークリーEthnic Studies Libraryでの調査やJapanese American National LibraryのMatsushita館長との懇談を通じて、コミュニティの調査という新たな視点と人脈を得ることができた。チカネックス文学についてはUTサンマルコス校のAlkek Libraryのコレクション調査、またUTSAテキサス文化研究所の資料調査ができた。チカーナ作家のサンドラ・シスネロスの作品原稿に加え、日記などのアーカイブ調査も行うことができ、幼少時の習慣や家庭環境など、作品の背後にある未発表の事実をつかむことができた。また、歴史保全区にあるシスネロスのパープルハウスにも実際に訪問でき、長年研究してきた作家の新たな面を発見することができた。教材作成に関しては、関連動画の撮影を行うことができた。 発表に関しては、Wakako Yamauchiの小説の研究発表を行い、2組の母娘の閉塞状況と娘同士、母同士の入れ替わりによる学びが2世の娘の視野の広がりやレジリエンスにつながったと結論づけた。また、女性の力強さが継承される戯曲版との比較や、アメリカの日本人街や全米日系博物館の現地調査の報告も併せて行うことができた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度はほぼ予定通りのアメリカ合衆国における研究調査を遂行でき、日系アメリカ人とチカーナへのインタビュー、アーカイブ調査などを効率的に多数遂行することができた。今年度から研究を開始した日系アメリカ人のWakako Yamauchiの文学作品とその戯曲版、また実際に上映された演劇のビデオについて情報を集めることができ、研究発表を行うことができた。ただ、多様で包括的な作業が多く、論文にまとめて発表するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアジア系の現地資料を加えた研究を行いながら、遅れている部分のキャッチアップとまとめを行うと予定している。前半は引き続きアジア系アメリカ人の文学、チカネックス文学に関する資料を分析し、文学研究を論文にまとめる。勤務校の長期休業中に1-2回渡米し、アメリカ西海岸を中心に滞在し、全米日系人博物館、カリフォルニア大学などのChicanx and Latinx Studiesなどのアーカイブ調査を引き続き行い、比較の観点から研究をまとめる。また資料調査、作品の舞台の現地調査、撮影、研究者との面会などを行う。教育用教材編集を行い、勤務校の学生からの意見聴取を行う。
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Causes of Carryover |
円安、インフレなどで、渡米の旅費が当初の計画時よりかなり高騰しており、令和6年度の渡米調査の旅費に資金を残しておく必要があった。そのため令和5年度の物品の購入を控えて、計画的に次年度使用額とした。令和6年度は渡米旅費を中心に使用し、足りない機材や資料の購入を残りの予算で行い、計画的な予算の執行を行う。
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Remarks |
研究発表、現地調査についての報告
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