2023 Fiscal Year Research-status Report
シェイクスピアの日本語翻訳の研究―屈折と変形のメカニズムを解明する
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21K00389
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
芦津 かおり 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (30340425)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | シェイクスピア / 悲劇 / 翻訳 / リア王 / ハムレット / 黒澤明 / 映画 / 翻案 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、シェイクスピアの「翻訳」という概念やジャンルの可能性と限界を見極める目的で、日本人監督・黒澤明による映画『悪い奴ほどよく眠る』とシェイクスピア悲劇『ハムレット』の関係性や、文字と映像の両面における「翻訳」について細かく考察した。成果としては、5月の日本英文学会全国大会における招待発表「黒澤明とShakespeare--『悪い奴ほどよく眠る』と悲劇Hamletの関係を中心に」(関東学院大学)、および9月の国際学会" Translation of Shakespeare as Cultural Exchange"における特別講演"Haunted by Hamlet ― Akira Kurosawa’s The Bad Sleep Well"(早稲田大学)がある。これらの研究の内容は、現在英語論文として執筆・修正中である。さらに、上記研究のなかで、同映画をシェイクスピア悲劇『マクベス』の映像的翻訳として解釈する糸口を見出したので、その点についての考察も進めている。 さらに、昨年度より引き続き、国際プロジェクト(ASIA)の国際オンライン学術エディションを編集する作業に当たっており、劇団りゅーとぴあによる舞台『リア王/影法師』(2004年)と、韓国のTheatre MoolleeによるLady Macbeth(2010)の舞台に関する詳細な注釈をつける作業を複数のメンバーで行っており、シェイクスピア劇を多言語・他言語および多文化・他文化に「翻訳」するという問題を中心的に考察を進めてきた。その成果は、近年オンラインで発表されるAIDA Scholarly Editionsで発表される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは異なる作品を取り上げることにはなっているが、もともと設定していたテーマに即した研究が進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、シェイクスピア劇が日本の翻案や翻訳に作り替えられる際におこる言語的・文化的な「変形」「屈折」を明らかにする作業を行っている。2024年度には、さらに複数の作品を対象に、同様の考察を行うとともに、国際学会や国内外のジャーナにおいて成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
校務の関係で、海外での国際学会に参加できなかったため。
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Research Products
(2 results)