2022 Fiscal Year Research-status Report
褒める表現技術ーイギリス17世紀におけるオードの淵源と展開
Project/Area Number |
21K00390
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉中 孝志 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (30230775)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オード / ベン・ジョンソン / エイブラハム・カウリー / アンドリュー・マーヴェル / ジョン・ドライデン |
Outline of Annual Research Achievements |
17世紀全般にわたるオードの歴史を、変遷の鍵となる詩人の重要な詩に焦点をあてながら分析し、概観として再構築した。その際に本研究における第一段階での考察対象としたのは、Ben Jonson (1572-1637) の Cary-Morison Ode、Andrew Marvell (1621-1678) の‘Horatian Ode'、Abraham Cowley (1618-1667) の Pindaric Odes、特に 'Brutus' Ode、そして John Dryden (1631-1700) の‘Song for St Cecilia’s Day: Alexander's Feast’である。本来、公的な性質を持つオードが、当時の政治状況や懐疑主義の影響を受けてその二重性、両義性を特徴とするようになったことを発見し、さらにロマン派の詩人たちの中で隆盛を極めた私的な情緒や感情を扱う次の時代のオードへと展開していく萌芽をドライデンのオードに読み取った。その成果は、2023年度6月にオックスフォード大学出版局から出版予定である。なお、調査の過程でベン・ジョンソンに関しては、The Cambridge Edition of the Works of Ben Jonson, ed. David Bevington, Martin Butler, and Ian Donaldson, 7 vols. (Cambridge: Cambridge University Press, 2012)、ジョン・ドライデンに関しては、The Poems of John Dryden, ed. Paul Hammond and David Hopkins, 5 vols. (Harlow: Pearson Education Limited, 1995-2005) を科研費により入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度末までには新型コロナ感染症パンデミックの影響は緩和したが、研究代表者が基礎疾患を有するため、予定していた国際学会への参加機会がなく、研究テーマでの意見交換が充分にできなかった。また、同理由により、学会シンポジアムでの成果報告が延期となり、論文での発表も本年度はなしとせざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、日本英文学会中国四国支部大会シンポジアムで扱う予定であった「英文学と音楽/音楽性」に関する研究発表が延期されたため、本年度の発表に向けて準備する。オードの起源にある歌と舞踏の様式が、英雄を褒め称えるための詩とどのような相乗効果を持つのかを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症パンデミックで、本研究の代表者が基礎疾患を有するため、予定していた国際学会に参加できなかったため。次年度の学会に参加して執行する予定。
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Research Products
(1 results)