2023 Fiscal Year Annual Research Report
A phenomenological approaches to the study of Shakespeare performances: nontraditional casting and an audience's "lived experience"
Project/Area Number |
21K00401
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阪本 久美子 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50319240)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シェイクスピア上演 / 現象学 / ジェンダー / フェミニズム / 観客研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたり、シェイクスピアの上演研究への現象学的アプローチの利用をさらに進めるため、国内外での上演および上演録画や海外の上演のストリーミング映像の視聴をさらに実施した。一方で論文執筆も進め、7月末に開催されたBritish Shakespeare Association (BSA)の年次学会では、’To be blind or not to be blind?: the complex body in all-female theatres’のタイトルで研究発表を行った。登場人物の性別や人種により配役される役者を限定しないblind castingという特殊な配役について、地元及び北米からの会議出席者と意見を交わすことができた。また、現在配役に政治色が強いイギリスで、芸術面での受容に焦点を当てた現象学的なアプローチについて議論する機会を得た。リバプール大学で開催された学会出席後は、ロンドンに移動し、特殊な配役の宝庫となっている劇場(グローブ座など)で視察を行った。秋には、清泉女子大学において、女性のみでの上演を行う学生たちの前で講義を行い、アンケート調査を行う機会を持てた。Shakespeare Intercultural Archive (A|S|I|A)ジェンダー・エディッションのリード・エディターとして、 劇団スタジオライフによる『十二夜』の注釈入れの共同作業(イギリス人およびシンガポール人)の他に、現象学的 なアプローチで上演を紹介したcritical introductionを執筆した。年度末には、成果発表として、Routledgeから出版されているShakespeare誌に論文を執筆し終えたところだ(論文提案後寄稿を認められたもの)。
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Remarks |
ジェンダー・エディッションのリード・エディターとして参加。劇団スタジオライフによる『十二夜』のcritical introductionを執筆。また、2名のエディター(イギリス人およびシンガポール人)と共に注釈入れ作業を行った。
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