2022 Fiscal Year Research-status Report
Pascal and Montaigne - Anthropology of "Pensees" and its origin
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21K00416
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山上 浩嗣 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (40313176)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 『パンセ』 / 『エセー』 / 政治思想 / 死生観 / 身体の経験 / 編集文献学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主たる課題は、1)パスカルの人間学を、『パンセ』の草稿資料も用いて、彼自身のテクストに即して総合的に考究すること、2)パスカルの人間学の「起源」の局面を、とりわけモンテーニュからの影響を通じて検討すること、である。 2022年度は、1)に関連して、『パンセ』の独自訳を継続して進め、全体の約7割程度まで終えた。2)に関連して、モンテーニュとパスカルの①政治思想ならびに②死生観についての比較研究の成果をそれぞれフランスのシンポジウムにて発表した。年度中2回にわたる渡仏の旅費ならびに滞在費の一部を本科研費から拠出した。 ほかに、『啓蒙主義の百科事典』(日本18世紀学会『啓蒙思想の事典』編集委員会編、丸善出版)の項目「モンテーニュ」を執筆した。また、「モンテーニュが語る老、病、性:『エセー』における身体の経験 」と題する講演を行い(2022年度 ラスタ教養大学 言葉文化コース)、成城大学国際編集文献学研究センター主催出版記念イベント『フェイク・スペクトラム:文学における「嘘」の諸相』合評会でコメンテーターを務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の具体的な課題は、主として次の2点である。1)パスカル人間学の文献学的研究および『パンセ』新訳。2)モンテーニュからパスカルへの影響関係の研究。1)についてはおおむね順調に進展している。2)については、二つの研究成果をいずれもフランスの国際シンポジウムにて披露できた(論文集の公刊は2023年度か2024年度中の予定)。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も上記の二つの方向性に即して研究を推進していく。1)については、あと2年間で訳文を一通り仕上げ、再検証し、解説文などを執筆することで、拙訳『パンセ』をできるだけ近いうちに公刊したい。2)については、2023年度中に2つの論文を論文を学術研究誌に発表する予定である。また、2023年9月には、日仏哲学会主催パスカル生誕400周年記念シンポジウムの発表をはじめ、いくつかの口頭発表を実施予定である。加えて、望月ゆか氏(武蔵大学)、武田裕紀氏(追手門学院大学)との共編になるパスカルに関する一般書『パスカル読本』の刊行を鋭意準備中である(2025年に刊行予定)。
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[Book] 啓蒙思想の百科事典2023
Author(s)
日本18世紀学会『啓蒙思想の事典』編集委員会
Total Pages
714
Publisher
丸善出版
ISBN
978-4-621-30785-4
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