2023 Fiscal Year Research-status Report
Study of Jewish 'Transit Migration' from Nazi Germany to East Asia
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21K00420
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
Pekar Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 亡命 / 亡命文学 / ジャポニズム / 文化接触 / 移民文学 / 移民 / 東アジア受容 / トランジット移住 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「トランジット移住」の地としての日本へのユダヤ人亡命研究として、日本でのみ出版された元NHK交響楽団の指揮者Joseph Rosenstock(1895-1985)の自伝をドイツ語に翻訳し、広範囲に渡る注釈、解説を加える作業を、演劇・音楽研究者Ralf Eisinger氏、学習院大学博士課程の赤塚愛氏の協働で進め完成させた。OAGの資金援助のもと、ミュンヘンの出版社Iudicium-Verlagからの出版準備を進めている。また、昭和音楽大学の酒井健太郎教授と協働し、2024年3月31日にシンポジウム「アジア・太平洋戦争期の滞日ドイツ人音楽家:その活動と日本音楽界への影響」を開催した。 2) 昨年度の報告にも記した通り、グラーツ/オーストリアで開催されるIVG(国際ゲルマニスト学会)2025にて、トランジット移住と、日本が西洋でどのように認識され、表現されているかという問題を結びつけた「東アジアの言説セクション」を設ける。そのために、Christine Frank教授(Berlin自由大学)、Philippe Wellnitz教授(モンペリエ第3大学)と共同で準備を継続している。また、ICLA(国際比較文学協会)の研究論集「文学におけるジャポニズムとポスト・ジャポニスム」のためにも、Wien大学の日本学研究者らや、前みち子教授(Dusseldorf大学)との共同研究を続けている。 3) トランジット移住の理論に関する成果としては、亡命者であったトーマス・マンについて2つの論文を発表した。また、過去の口頭発表から論文「亡命と移住の文学におけるトランジット経験」を出版し、トランジット経験をエキゾチシズムの文脈で検討し、「異世界」に開かれたハイブリッドなアイデンティティを生み出す試みとして考察した。これらはインゲボルク・バッハマンに関する口頭発表ならびに論文においても論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ローゼンシュトックの自伝に関する作業は終了した。トランジット移住に関しては、IVG(国際ゲルマニスト学会)での「東アジアの言説セクション」のための準備をを継続している。また新たに「文学におけるジャポニズムとポスト・ジャポニスム」に関する研究論集をまとめることになり、申請時の研究計画に追加し、新たな展開ができることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024 年の夏に開催されるASCJ(Asian Studies Conference Japan)にて、ローゼンストックならびにローゼンシュトック自伝について講演する。また、IVG(国際ゲルマニスト学会)2025での東アジアの言説セクションの準備作業、ならびにICLAの研究論集に関する共同作業を継続する。これらの場でトランジット移住に関して発表することにより、トランジット移住をより大きな文脈の中で考察することが可能になる。
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Causes of Carryover |
まず、本研究活動の一つであったシンポジウムの成果(表題 “Robert Musil in East Asia - Transcultural Readings” )がドイツの権威ある出版社Brill Deutschland GmbHのシリーズ書のひとつとして出版されることとなり、出版費用に充てる。 また、2024年度はサバティカル期間であるため、4月初旬に渡独する。6月に日本に戻り、慶応義塾大学で開催の日本独文学会やソウルで開催のドイツ異文化間研究協会 (GiG) の研究会に参加する。科研費は、ドイツから日本または韓国への渡航費、韓国での滞在費に使用する。また、9月には、オックスフォード大学で開催のフランツ・カフカに関する研究会で口頭発表を行い、続けてLondoner Wiener Holocaust Libraryで、上海/東アジアへの亡命に関する文献を収集する。ドイツからロンドンまでの渡航費と英国での滞在費に充てる予定である。
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