2023 Fiscal Year Research-status Report
世紀転換期プラハのドイツ語文学における認識論と言語思想―フランツ・カフカを例に
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21K00430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 嘉彦 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 名誉教授 (50079109)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラハ / カフカ / 心霊思想 / 超心理学 / 認識論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題そのものを主題とする著書を、ドイツで上梓する計画は、収録される叢書の編者および出版社の合意のもとに、遅れ気味ではあるものの、着実に推移しており、そのスケジュールにそって原稿を作成している。2023年12月末には、その一部を日本語訳して、雑誌『現代思想』に寄稿した。 他方で、おなじ東欧圏のドイツ語文学の枠内で、ドイツで刊行されたハンドブックに、詩人パウル・ツェラーンに関する項目を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍はほぼ終息したが、高齢のため、万一を懸念して、外国出張を控えており、外国人研究者との意見交換、ドイツないしオーストリアの大学および公立図書館での文献調査が思うにまかせないことが、その理由の第一にあげられる。くわえて、ドイツ語の研究文献に関しても、円安基調によって価格が高騰しており、購入を躊躇せざるをえないことも、その一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
外国出張によって、外国人研究者との意見交換、ドイツ、オーストリアの大学および公立図書館での文献調査をおこなえるものと期待しているものの、これは、畢竟、外的な要因ないし自身の健康状態によって左右されるがゆえに、現時点では明確な計画として立案することができない。研究者とのメール交換、Zoom の使用等によって代替するにも限界がある。とりあえずは、ダウンロード可能な文献を探索し、あるいは国内の大学図書館に所蔵されている図書を貸借し、またすでに収集した文献を精読することによって、研究をすすめることとしたい。
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Causes of Carryover |
主として外国出張に予定していた予算が、コロナ禍、ウクライナ戦争、円高傾向などの要因により、未使用になったためである。しかし、こうした外的な要因は次年度もすくなからず残るものとおもわれるため、計画を変更して、国内における文献資料の収集、研究調査に使用するものとする。
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[Journal Article] Paul Celan2023
Author(s)
Yoshihiko Hirano
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Journal Title
Handbuch der Literaturen aus Czernowitz und der Bukowina. Hrsg. von Andrei Corbea-Hoisie / Steffen Hoehne / Oxana Matiychuk / Markus Winkler. Berlin: Springer.
Volume: 巻号なし
Pages: 453-456
DOI
Open Access
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