2022 Fiscal Year Research-status Report
20世紀初頭の芸術思潮からみたバレエと映画の位相と影響関係に関する総合的研究
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21K00446
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
伊勢 晃 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (00379059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バンジャマン サラニョン 大阪大学, マルチリンガル教育センター, 特任准教授(常勤) (00739360)
伊藤 洋司 中央大学, 経済学部, 教授 (10384728)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ベル・エポック / エスプリ・ヌーヴォー / バレエ / 映画 / アポリネール / 芸術思潮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,第一次世界大戦前後のバレエ・リュスと映画の動向に焦点をあて,前衛的な作品が出現し,新しい芸術の潮流が形成されていく過程を明確にすることを目的としている.これまでバレエ・リュスと前衛文学・芸術の関係性が指摘されるに留まり,基礎的資料に基づいた分析や理論的な考察が行われてこなかった.本研究はこの欠落を補うものであり,映画が新たな芸術として台頭する時期において,バレエの変容や発展がこの新しい芸術にいかなる影響を与えたのかについて,基礎的資料の整備を行い,大戦前後の芸術をめぐる現象,理論を分析し,相互の影響関係を明らかにすることにより実証的に解明し,「エスプリ・ヌーヴォー」の諸相を明確にすることを目指すものである. 本年度は,初年度に十分には進捗しなかった20 世紀初頭の映画とバレエに関する諸言説に関する資料収集を可能な範囲で継続し,基礎的資料としてのデータベースの作成とアップデートを行った.フランス国立図書館や,デジタル・アーカイブ等で収集した文献資料の分析作業を同時並行で行い,当時の文学・芸術批評におけるバレエに関する言説について,できる限り同定し,その事績・業績の精査作業を開始した.これまで等閑視されてきたギヨーム・アポリネールの芸術批評にみられる舞踏,バレエ・リュスに関する言説の分析,検討を重点的に行った.当該期間の映画を映画史上に位置づける作業として,20 世紀フランスにおける映画批評に関する理論的研究にも着手し,理論的側面からの検討を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響と大学業務のスケジュールとの兼ね合いがあり,渡航計画が立たず,当初予定していた現地での資料の収集やインタビューを行うことができなかった.国立国会図書館やデジタル・アーカイブを利用し,できる限り国内での資料収集を継続し,当時の文学・芸術批評におけるバレエに関する言説に関する調査と同定を行ってきたが,その分析,検討作業に時間がかかり,論文執筆に遅れが生じている.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍も終息に向かい,比較的自由に渡航できる環境になったため,次年度はフランスにに赴き,フランス国立図書館等で,必要な資料の調査,現地研究者へのインタビューを実施する.新たに入手した資料をデータベースに反映させる作業を行い,基礎的資料を確立しながら,分析,検討作業を同時に進める.また,映画史研究者2名をフランスから招聘し,来日中のロシア映画研究者の協力も得ながら,専門的知識の提供を受けるとともに,講演会,シンポジウムを開催し,研究成果を公表する予定である.
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Causes of Carryover |
コロナの影響を受け,予定していた現地調査の実施ができなかったこと,フランス人研究者2名の日本への招聘が不可能となったことが次年度使用額が生じた主たる理由である.次年度はフランスに渡航し,資料調査及び情報収集等を行う予定である.また,海外研究者を招聘し,専門的知識の提供を受けるとともに,研究会,講演会を開催する計画を立てている.
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Research Products
(2 results)