2023 Fiscal Year Annual Research Report
リベルタン文学が18世紀フランス社会およびフランス革命に与えた影響についての研究
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21K00448
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
関谷 一彦 関西学院大学, 法学部, 名誉教授 (40288999)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 18世紀フランス文学 / リベルタン文学 / リベルタン版画 / 『ドン・B***の物語』 / ジェルヴェーズ・ド・ラトゥシュ / サド / フランス革命 / キリスト教批判 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度 1)18世紀フランスで開花したリベルタン文学のパイオニアであり、後世にも大きな影響を与えたジェルヴェーズ・ド・ラトゥシュ著『カルトゥジオ会修道院の門番であるドン・B***の物語』(以下『ドン・B***の物語』と略す)の翻訳を関西学院大学出版会から出版した(2024年3月)。 2)2023年8月にフランス・リヨンを訪れ、18世紀フランス文学が専門であるレノー氏と翻訳の曖昧な箇所について議論を行った。また、本書のタイトルにもなっている「カルトゥジオ会修道院」のひとつを訪れた。「カルトゥジオ会修道院」は世俗を嫌い、静寂を好むため人里離れたところにあり、『ドン・B***の物語』の主人公サテュルナンが遍歴の末「カルトゥジオ会修道院」の門戸を叩いたことを実感することができた。また、訪問の成果として、『ドン・B***の物語』には歴史的真実が描かれていることも確認できた。 研究期間全体 1)研究期間の多くの時間は翻訳の完成につぎ込まれたが、それとともに本研究課題であるリベルタン文学が18世紀フランス社会およびフランス革命に与えた影響について、「訳者解説」という形で『ドン・B***の物語』に掲載した。リベルタン文学には単なるポルノ文学とは異なり、当時の社会に対する鋭く、激しい批判が描かれている。そのなかで、こうした批判精神こそ、フランス革命へと導くひとつの要素ではないかと問題提起した。リベルタン文学の認知度がまだまだ低い状況ではあるが、こうした問題提起が新たな研究の引き金になることを願っている。
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