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2021 Fiscal Year Research-status Report

A Descriptive Study of Chin Languages in the Magway Region of Myanmar

Research Project

Project/Area Number 21K00480
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

大塚 行誠  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (90612937)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywords記述言語学
Outline of Annual Research Achievements

ミャンマー連邦共和国の西部に位置するマグウェ地方域では、ミャンマーの公用語であるビルマ語のほかにも様々なチン系の言語が話されている。ただし、マグウェと同じように多くのチン系諸言語が話されているチン州とは事情が異なり、アショー・チン語やウップー語を始めとするマグウェのクキ・チン系言語の多くはビルマ語からの影響を強く受けている。
マグウェ地方域は2020年はじめまで経済発展と民主化に伴い人的交流が増え、外国人研究者にとっても比較的アクセスのしやすい地域となった。しかし、最近になってもマグウェ地方域のクキ・チン系民族やその言語の実態、およびマグウェ地方域における多言語使用状況に焦点を当てた調査研究は見られなかった。そこで、ミャンマーでのフィールドワークを通し、マグウェ地方域において消滅の危機に瀕したチン系の言語を記録するため、本研究プロジェクトを立ち上げた。
しかし、2020年から現在に至るまで新型コロナウィルスの感染拡大により海外渡航が困難になった上、2021年からは現地での政情不安定の影響によりマグウェ地方域での調査も困難になっている。当初交付申請の段階で計画していた夏季と春季に1回ずつミャンマーへの渡航とミャンマーのマグエ地方域におけるフィールドワークと言語調査は中止せざるを得なかった。
そこで、今年度は日本国内でマグウェ管区と当該地域の言語状況に関する文献資料の収集を行った。さらに、オンライン調査と既存の言語データに基づき、南部チン語群のアショー・チン語の調査、北部チン語群のティディム・チン語、中部チン語群のハカ・チン語など、クキ・チン諸言語の音韻と文法の特徴について調べた。このうち、アショー・チン語についてはビルマ語との言語接触について、ティディム・チン語については方向接辞について発表を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年以降のコロナ禍による渡航制限に加え、2021年からはミャンマー国内の政情が不安定になり、治安も悪化している。2022年現在も当初計画していたチン州やマグウェ地方域でのフィールドワークは難しい状況が続いている。当初の計画で重要な位置を占めているフィールドワークが行えていないため、現在までの進捗状況を「やや遅れている」と自己評価した。
今後の国際情勢やミャンマーの動向を注視しつつ、研究者と研究協力者の安全が確保され、コミュニティーの治安状況が改善される状況になるまでは主に日本国内での調査研究を中心に行う予定である。具体的には、今後も既にあるアショー・チン語などのデータの分析を進め,その音韻や文法の記述、正書法に関する研究をさらに進める予定である。そして、現地情勢がある程度安定し、調査協力者とコンタクトが容易に取れるようになった際にはオンライン調査も開始したいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

2020年以降の新型コロナ感染拡大による渡航制限に加え、2021年から始まるミャンマー国内の政情不安により、ミャンマーへの渡航が難しい状況にある。さらに、チン系言語を話す話者が多く住むマグェ地方域やチン州への渡航は特に治安上の問題があり、外国人研究者が話者コミュニティーを直接訪問して長期間滞在しながら調査することは極めて難しいのが現状である。そこで、昨年度に引き続き、クキ・チン系諸言語に関する文献資料の収集に専念しつつ、アショー・チン語など、ある程度データがある言語に関しては音韻、文法、語彙の記述を進めていく予定である。ミャンマーへの渡航が可能になった場合は、ヤンゴンを中心にウップー語やルントゥー語などの母語話者を探し、基礎語彙調査を行うなどして、将来のマグウェでのフィールドワークに向けた準備を進めたいと考えている。

Causes of Carryover

2021年度は新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航が制限されていたことに加え、ミャンマーの政情不安によって国内治安が悪化し、フィールドワークを行うことができなかった。さらに、日本国内の学会や研究会も全てオンライン開催となり、交付申請当初計画していた国外および国内の出張費用が発生しなかったため。今後の出張費用や本研究関連の物品購入、データ入力や翻訳などの謝金として使う計画である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Chapter 15 Burmese: Refugees and Little Yangon2022

    • Author(s)
      John C. Maher, Otsuka Kosei
    • Journal Title

      Language Communities in Japan

      Volume: - Pages: 156-163

    • DOI

      10.1093/oso/9780198856610.001.0001

    • Int'l Joint Research
  • [Journal Article] Directional Prefixes in Tiddim Chin2022

    • Author(s)
      Otsuka Kosei
    • Journal Title

      Grammatical Phenomena of Sino-Tibetan languages

      Volume: 3 Pages: 197-210

    • Open Access
  • [Presentation] Lexical borrowing in Asho Chin2021

    • Author(s)
      Otsuka Kosei
    • Organizer
      2nd Workshop on Linguistic and Cultural Diversity in the Northeast India - Myanmar - Southwest China region
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

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