2022 Fiscal Year Research-status Report
同調現象の多層的メカニズムの解明に向けて:大学生の調和的対話構築の研究
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21K00502
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
難波 彩子 関西学院大学, 国際学部, 教授 (00638760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 邦好 愛知大学, 文学部, 教授 (20319172)
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 同調現象 / 一体感 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度と同様、令和4年度もコロナウイルスの蔓延状況が継続していたため、初年度に計画していた(1)新たなデータ収集、(2)国内外での研究発表、(3)既存のデータを用いた継続的なデータ分析、については、一部の計画しか実行できなかった。(1)は関西圏の大学生多人数会話データ1セット(60分)とインタビューデータ(4セット、合計約240分)、中京圏の大学生多人数会話データ4セット (約合計240分)を収集した。(2)については共同研究者が中心に研究発表を国内の学会および研究会で行なった。研究代表者は同調現象に関わる研究論文の執筆を中心に取り組んでいる("Togetherness to build friendship: rhythmic synchrony through mutual reactions in Japanese multiparty interaction”(tentative title, In Bushell, C. and Moody S. (eds), Navigating friendship, Routledge)。また、第18回国際語用論学会 (International Pragmatics Conference)のPanel (Organisers: Saft, S., Ide, S. &Fujii, Y.)にて、ジェンダーと同調現象について”Habitual practices of gender presentations in Japanese society: How young and middle-aged generations self-disclose and react on Instagram” (Namba, A., Nishiyama, Y., & Yamaguchi, M.)というタイトルでの発表が決定し、発表準備を進めている。(3)既存データ分析では、上記の論文執筆で同調現象がどのように友情の構築に役割を果たしているのかについて分析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度はまだコロナ禍でデータ収集が難しく、新たなデータ収集が進まなかった点が大きな遅れの原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は新データの収集を計画し、分担者2名ともミーティングを行って準備を進めていたが、コロナウイルスの蔓延でデータ収集を一部のみしか実施することができなかった。そのため、研究の進行が現在遅れている状況にある。この研究状況を補完するために、令和5年度は、コロナウイルス対策も緩和されたことを受けて、新データの収集とその分析に重点を置き、取り組む。また、前年度同様既存のデータの分析を中心に同調現象の研究を深め、国内外での学会や研究会での研究発表、来年度開催される国際学会の発表応募や、論文執筆も並行して取り組み、新データとの統合を目指していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍でデータ収集を一部のみしか進めることができなかったため。 国内での打ち合わせを計画していたが、上記の通りコロナ禍で国内での研究者同士の対面による打ち合わせを控えたためである。令和5年度は、新データの収集に関わる計画に重点をおく。また、7月に予定されている国際語用論学会の発表にも経費を使用する計画である。さらに、新データ収集やそのデータ分析などで分担者や識者と適宜対面の打ち合わせなども計画に入れたい。
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